岡山駅前の再開発、JR四国がホテル出店へ 収益の柱目指して四国外2例目

2025年10月1日 09:02

 JR四国とJR四国ホテルズは、岡山市のJR岡山駅東口で整備されている「岡山市駅前町一丁目2番3番4番地区第一種市街地再開発」で新ブランドのホテルを出店する。全鉄道区間の3分の2が赤字という厳しい経営状況の中、ホテルなど宿泊事業を新たな収益の柱と考えているためで、四国以外へのホテル出店は2例目となる。

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 出店するのは、駅前町再開発のホテル棟。地上16階建て施設の7~16階に入り、延べ床面積約7,000平方メートル。客室はダブルルーム83室、ツインルーム94室を配置し、宿泊者専用ラウンジや温浴施設、ジム、ダイニングなどを併設する。ブランド名は決定次第、公表する方針。開業は2027年春ごろを予定している。

 駅前町再開発は岡山駅と観光地の岡山城、後楽園を結ぶ桃太郎大通りに近い駅東口に、住宅とホテル、商業施設、コンベンション施設などで構成する拠点施設を設け、新たなにぎわいを創出するのが狙い。1.4ヘクタールの用地を西街区と東街区に分けて開発、西街区にホテル棟と住宅棟、東街区に駐車場棟を置く。駐車場棟は2023年に工事が終わり、住宅棟は2023年、ホテル棟は2024年から工事に入った。2026年度の全体完成を目指している。

 JR四国は2023年度、全8路線18区間のうち、黒字を計上できたのが本四備讃線・児島-宇多津間など6区間にとどまり、牟岐線・阿南-阿波海南間など12区間が赤字となった。国の支援でどうにか運行を継続できているが、経営自立には遠く、ホテルなど宿泊事業を新たな収益の柱に育てようとしている。

 JR四国グループが運営する宿泊施設は9施設、1,471室。このうち、8施設は四国4県にあるが、ビジネスホテルの「JRクレメントイン姫路」を、2022年に兵庫県姫路市のJR姫路駅南口に開設している。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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