1万円から不動産投資:クラウドファンディングを展開、クリアルは強気姿勢継続

2025年9月30日 08:47

 久方ぶりにクリアル(2998、東証グロース市場)を覗いた。2022年4月28日に上場。初値は公開価格1600円に対し6400円と、大きな期待を背負って生まれた。公開後初の決算発表となった22年3月期は「48.2%増収、70.6%営業増益」。期待通りの様相となった。

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 クラウドファンディングを展開している。ポイントは1万円から不動産投資が可能、という点。要するに私でも1万円から、不動産投資に参戦しリターンが得られるという次第。その後も着実な増収増益基調を示し、再度覗き込んで・・・と思ったのは前25年3月期に「30円」の初配当に踏み切ったからだった。前期は「98.7%増収、100.8%増益」。決算資料は、こう発信した。

 「商業施設、ホテル、オフィス、老人ホーム、一棟レジデンス、物流施設・・・と幅広い不動産を対象にクラウドファンディングを展開。着実なリターンを投資家に提供。結果今期末日時点で投資家会員数は9万7000人、累計投資金額は700億円を突破した。機関投資家向けに着実な物件の売却で、安定収入の基盤が揺るぎないものとなっている。事業拡大に伴う先行投資も含めた人員の拡充が進み、人件費が大きく増加したが・・・」。

 そして今26年3月期も「30.8%増収(74億1000万円)、35.1%増益(26億6000万円)、7円配(25年10月1日付けで1対5の株式分割、実質増配)」計画。

 裏付けるようにファンドの組成も進んでいる。例えば8月には「第135号 我孫子老人ホーム(サ高住):募集金額6億3800万円/想定利回り年6.0%/運用期間9月16日~28年9月15日」-「第136号 五反田オフィス(事務所&倉庫):18億9000万円/年6.5%/9月30日~28年9月29日」。一方、販売用不動産の仕込みに備え資金借り入れも実施。「三菱UFJ銀行から37億1000万円/9月30日~26年9月30日/変動金利、一括返済」etc。

 順調ぶりは、至2030年3月期の中計目標にも読み取れる。「GMV(ファンド組成に向ける調達資金)2500億円(25年3月期256億9000万円)/売上総利益270億円(56億7000万円)/純利益100億円(13億5000万円)/自己資本比率40.0%(9.8%)/株主還元策、配当性向15%程度&株主優待・自己株取得を含む総還元性向も重視」。

 本稿作成中の株価は6100円台、公開初値奪還水準。年初来の値動きは2月安値から8月高値7770円まで買われ、利食い先行の動き。予想PER21倍弱、信用取引は買い残減で貸借倍率0・・・投資判断は各位にお任せ・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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