8月の百貨店とSC売上、ともに前年上回る 猛暑で夏物好調

2025年9月27日 21:01

 日本百貨店協会と日本ショッピングセンター協会が8月の売上高を発表。前年は台風上陸などで大幅に売上を減らした反動に加えて、猛暑により夏物商材の売上が好調だったことから、ともに前年同月を上回ったことが分かった。

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■前年の反動と猛暑で百貨店売上高は7カ月ぶりに前年上回る

 25日、日本百貨店協会が8月度の全国百貨店売上高概況を発表した。売上高は前年同月比(店舗数調整後)2.6%増の4,139億7,170万3,000円となり、7カ月ぶりに前年同月を上回った。

 前年8月は台風の上陸や大雨により、店舗の臨時休業や時短営業が発生し大きく売上を減らした反動と、猛暑から長引く残暑となったことで、TシャツやUV関連商品などの夏物商材の売上や、レストラン、ビアガーデンなどの飲食部門の来客が好調に推移した。

■大都市は名古屋、大阪が大きく増加

 大都市は10都市中7都市で前年同月を上回った。特に横浜(前年同月比:6.3%増、以下同じ)、名古屋(8.3%増)、大阪(9.6%増)、神戸(6.6%増)でプラス幅が大きめ。一方で札幌(0.4%減)、東京(2.3%減)、広島(3.6%減)の3都市で前年同月を下回った。

 都市以外の地区は7地区中5地区で前年同月を上回った。その中でも中国(3.3%増)、四国(6.4%増)でプラス幅が大きめ。一方で、東北(3.1%減)、中部(1.5%減)の2都市で前年同月を下回った。

 商品別売上高は多くの分野で前年同月を上回った。その中では、子供服・洋品(4.3%増)、化粧品(6.1%増)、美術・宝飾・貴金属(5.4%増)、その他雑貨(7.6%増)、家電(11.4%増)、菓子(5.1%増)でプラス幅が大きめ。反対に家具(14.5%減)、その他(6.5%減)、商品券(8.5%減)でマイナス幅が大きめだった。

■ショッピングセンターは42カ月連続で前年上回る

 同日、日本ショッピングセンター協会が8月度SC販売統査報告を発表した。売上高は前年同月比6.9%増の6,918億1,647万4,000円となり、42カ月連続で前年同月を上回った。

 前年にあった台風等による臨時休業や時短営業の反動は百貨店と同様で、それに加えて夏休み中の子供向けイベントや映画のヒットにより来客増につながったことで、全国的に売上が増えた。

 業種別では、猛暑により「ファッション」は夏物セールが好調、「雑貨・その他物販」は日傘やUV対策アイテムなどが動き、「飲食」は家族連れのランチや冷たいメニューが伸びた。「サービス」は引き続きシネマが好調だった。

■都市も地方も全て前年上回る、名古屋、大阪、福岡が好調

 売上のうち、テナントは前年同月比7.9%増の5,381億5,920万4,000円で全体同様に42カ月連続で前年同月を上回った。キーテナントは同3.8%増の1,536億5,727万円となり、3カ月連続で前年同月を上回っている。

 大都市やその他の地域は全て前年同月を上回った。特に大都市では名古屋市(前年同月比:12.8%増、以下同じ)、大阪市(13.2%増)、福岡市(10.9%増)で2桁割合の増加。その他の地域では関東(6.5%増)、中部(6.6%増)、近畿(6.4%増)、中国(6.4%増)、九州・沖縄(8.9%増)でプラス幅が大きめだった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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