年度計画の達成率は連続100%超、中計も強気 ADワークスGとの向き合い方

2025年9月26日 14:15

 ADワークスグループ(2982、東証プライム市場)。中古マンションやビルを1棟丸ごと仕入れ、付加価値を高め富裕層などに販売。

【こちらも】好収益:ヒューリックが、将棋戦に資金提供を続ける流れは・・・

 10年債利回りをフォローすると0.8~0.9%だったものが、2020年6月には0.2%を割り込んだ。だがその後上下動がありながらも23年以降は1%水準に急接近する水準で推移。理屈的には、不動産投資には逆風のはず。がADワークスGの収益動向は真逆。

 2020年12月期(持株会社価)に「売上高168億4000万円、営業利益6億4500万円、2.63円配」で再スタート。以降前24年12月期までの推移は「48.2%増収、44.5%営業増益、3.50円配」-「11.6%増収、41.2%増益、4.50円配」-「48.4%増収、77.4%増益、8.0円配」-「20.7%増収、31.7%増益、10円配」。

 そして今12月期も期初計画を上方修正し、「21.2%増収(605億円)、55.4%増益(50億円)。14円配」計画。既に第2四半期実績で「329億6500万円、29億5000万円」を積み上げている。

 ADワークスGのホームページには誇らし気に、「2013年12月期~23年12月期まで、年度計画に対する達成率は100%超」と、されている。

 前述の今期中間期決算の開示資料では、こう発信している。

 「国内の1棟収益不動産販売事業は前年同期比166%と大幅に拡大。内部の成長施策により、売上総利益も前年同期比161%。さらなる成長に向けて新たにホテルの取得を進めており、アセットタイプの多様化に施策を進めていく。不動産小口化商品事業、前年同期比172%増収、売上総利益150%増と大きく成長した」。

 販売案件/付加価値づけに際してのリニューアルでの「人件費増/建築費増」、も価格への転嫁が順調に進んでいると読み取ることができる。

 至26年12月期の中計も、強気を崩していない。「売上高470億円(24年12月期比23.4%増)、営業利益37億円(3.9倍)」予想。配当に関しては「30%水準の配当性向を維持しつつ9円配を実現(24年12月期比2.57倍)」を掲げている。

 株価は素直に反応している。本稿作成中の時価は506円。予想税引き後配当利回り2.2%。年初来安値196円(1月17日)水準から高値519円(9月12日)まで右肩上がり。20年4月の上場初値から時価までの修正済み株価パフォーマンスは、2.65倍。

 時価の予想PER9.6倍水準を勘案すると「買い」が無謀とはいえない。が、とりあえずは中計への着地の歩みを見定めてはどうか・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連記事

最新記事