7月パート・バイト時給、求人会社で傾向分かれるも今後は上昇予想続く
2025年8月23日 12:04
求人サイトを運営する各社が、7月度のパート・アルバイトの時給動向を発表。求人各社で前年同月比は増減が分かれたものの、賃金改定を控えて今後も時給の上昇傾向が続く可能性が高いことが分かった。
【前月は】6月パート・バイト時給は上昇傾向続く、飲食や販売で人材募集が増加
■マイナビは35カ月連続で前年同月上回る
20日、マイナビが7月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比34円増の1,283円となり、35カ月連続で前年同月を上回った。
地域別では北海道・東北が同75円増の1,171円、関東が同21円増の1,355円、甲信越・北陸が同998円増の1,212円、東海が同69円増の1,245円、関西が同20円増の1,271円、中国・四国が同74円増の1,160円、九州・沖縄が同70円増の1,180円と全てのエリアで前年同月を上回った。
職種別では、「イベント・キャンペーン」が1,421円と平均時給として最も高かった。また「警備・清掃・ビル管理」が1,181円で過去最高時給を更新し、求人件数も前年同月比1.58倍と大きく増加。花火大会や音楽フェスなどのイベント向け需要の増加が影響した。最低賃金の改定により、現在は最も平均時給が低い中国・四国エリアも、9月から10月にかけて平均時給が1,200円台に到達する可能性もある。
■ディップは10カ月連続で前年同月下回る
同日、ディップが7月の「アルバイト平均時給調査」を発表した。全国平均時給は前年同月比53円減の1,311円となり、10カ月連続で前年同月を下回った。「バイトル」に掲載された求人件数は同7.4%増の約322,000件だった。
地域別では関東が同55円減の1,389円、東海が同51円増の1,279円、関西が同8円増の1,319円、九州が同277円減の1,141円だった。
■リクルートは3カ月連続で前年同月上回る
21日、リクルートの調査研究機関『ジョブズリサーチセンター(JBRC)』が7月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査(三大都市圏)」を発表した。平均時給は前年同月比46円増の1,268円となり、3カ月連続で前年同月を上回った。
地域別では首都圏が同41円増の1,309円、東海が同58円増の1,190円、関西が同58円増の1,238円となり、3地域とも前年同月を上回った。
■エン・ジャパンは3カ月ぶりに前年同月上回る
同日、エン・ジャパンが7月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。全国平均時給は前年同月比2円減の1,216円となり、3カ月ぶりに前年同月を下回った。
エリア別では関東が同41円増の1,364円、東海が同50円減の1,229円、関西が同変わらずの1,299円だった。
イベント関連の人材需要で、警備や接客などの分野を中心に時給が上昇傾向にあるものの、東海地区が大きく落ちこんだことで全国ではわずかに前年を下回った。ただし最低賃金の改定が行われるため、今後も時給の上昇傾向が予想される一方、利益が圧迫される企業側が採用を抑えめにする姿勢もあるという。
職種別では9職種中5職種で平均時給が前年同月を上回った。その中では警備・清掃・設備管理が1,172円(前年同月比:33円増、以下同じ)、クリエイティブ系が1,277円(51円増)、教育・その他が1,438円(137円増)でプラス幅が大きめ。反対にマイナス幅が大きめだった職種は販売・サービス系の1,272円(22円減)、運輸・配送・軽作業系の1,223円(23円減)など。(記事:県田勢・記事一覧を見る)