難病領域で限られた専門医の治験・経験をシェアする医師向けサービス:Mediiとはこんな会社
2025年8月5日 09:01
Medii。「難病・希少疾患」に対し、限られた専門医の治験と経験をオンラインでシェアする医師向けサービスを展開している。
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注目したい存在だ。日本でも人口の約5%が、難病・希少疾患を患っているとされる。私が認知している範囲の公人では、故安倍晋三首相がいる。二度、首相の座の辞任に余儀なくされた。潰瘍性大腸炎の罹患がその要因だった。
またプロレスラーの故アントニオ猪木氏は、全身アミロイドーシス(不溶性タンパク質が臓器に沈着、機能障害を引き起こす)で亡くなっている。
ともに希少疾患。疾患数は7000種類あるとされる。年々、新しい薬剤が開発されている。が現代医学もってしても、一生治癒されないことも少なくない。
幼少期に罹患・発症するケースが大方だが、不治の病を背負い40代~50代の働き盛りの年代を迎えるケースが多い。「人口の5%」はその意味で、「たかが」ではない。不調を感じつつも日々を送り、抜け出せない現実に精神的な病に苦しみ最悪の事態を迎えてしまう・・・というケースも少なくないという。
Mediiは和歌山県立医科大学医学部に学んだ、現役の医師:山田裕揮氏により設立された。自らも国が指定する免疫系難病を患っている。医師・医学博士の道を選んだ遠因は、自身の幼少期からの難病との闘いがあった。
だがそれ以上に突き動かされたのは、「医学部のカリキュラムに対する疑義だった。医学部は患者を救う臨床医を育てることが目的のはず。なのに、患者を診る実習は5年生から。先輩達からも臨床医としていきなり現場に出ても、分からないことばかりと聞いた」が直接的な入り口だった。
同感を覚えていた仲間と、講師として治験・経験を供与してくれる先輩医師・医学博士を募った(囲い込んでいった)。Mediiの枠組みを作っていった。Mediiはラテン語で「本質」を意味する。
山田氏は「我々が目指す本質的な医療の実現には、未だ道半ば。が道筋が見えてきたことから、事業を急速に拡大するフェイズに入っている。新たな位相の実現には、更に一人でも多くの世界観を共有できる仲間との出会いが不可欠」と強調した。
山田氏、Mediiの歩みを既にベンチャーキャピタルをはじめ金融機関は察知している。具体的な行動を起こしている。そう、上場への歩みが着実に始まっている。社員規模は50人未満。できるなら私も入社し、ストックオプションの付与の対象となりたいものだが・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)