備蓄米販売が全国各地で本格化、コメ価格の値下り続くか
2025年6月18日 09:10

政府が随意契約で払い下げた備蓄米の販売が、全国各地で本格化している。スーパーなど小売店の店頭に次々に備蓄米が並び始めたが、人気の銘柄米の価格にはまだ大きな変化が見られない。5キロ当たりのスーパー平均販売価格は2~8日の週で4,176円と、3週連続で値下がりとなったが、依然高止まりしたままだ。
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スーパーでは、イオン九州がイオン熊本店(熊本県嘉島町)で19日から5キロ入り備蓄米2,200袋を税込2,138円で販売する。関西の万代は天王寺店(大阪市阿倍野区)など65店で18日、各店100~360袋の備蓄米を税込2,138円で店頭に並べる。
中四国、九州で店舗展開するイズミは、20日からゆめタウン広島(広島市南区)など7店、24日にはその他の店舗で販売する。価格は税込1,890円。山口県の丸久はアトラス萩店(萩市)など2店で、22日から各店900袋を税込2,138円で売り出す。
生協では、北海道のコープさっぽろが、109店舗全店で24日から5キロ税込1,922円、2キロ税込778円で販売するほか、30日から宅配の注文受付を始める。兵庫県のコープこうべは6月下旬から販売を開始する予定だが、混乱を避けるためとして販売日の告知をしないとしている。
コンビニエンスストアでは、イオングループのミニストップが大阪、京都の2府と愛知、岐阜、三重、福井、滋賀、兵庫、奈良、徳島、愛媛、香川の10県で18日まで予約を受け付けている。販売価格は5キロで税込2,138円。
一方で、農林水産省がまとめたスーパーの販売価格は、2~8日の週で平均4,176円。前週より48円安く、3週連続の値下がりとなったものの、値下がり幅は大きくない。小泉進次郎農水相が「国民が安心して買える水準になっていない」との見方を示したことが報じられている。
大手スーパーの店頭を見ると銘柄米の価格に大きな変化がなく、安いコメが一時的に増えているだけのように感じられる。全体の価格が下がるにはもう少し時間が必要なようだ。(記事:高田泰・記事一覧を見る)