なりは小さいが収益好調、3年近く前の初値超のリベロとは!?

2025年3月3日 15:51

 新規公開時に「へぇ~、こんなビジネスもあるんだ。どんな収益動向を見せるのかな。収益如何だろうが、株式市場はどう捉えるかな」と興味を持った企業や、公開初値が相応の期待を背負って生まれた新規上場企業が「それなりに育ってくれると」妙に嬉しさを感じるものだ。

【こちらも】ベルーナの株価が上昇、ホテル需要増も収益の底上げにつながるか

 2021年9月に登場したリベロ(9245、東証グロース市場)なども、そんな1社である。上場直後の2021年12月期の「11.2%増収、14.1%営業増益」にはじまり、前24年12月期までの収益動向は、「7.5%増収、78.3%営業減益」「13.5%増収、129.4%営業増益」「23.6%増収、154.9%営業増益、30円配開始」。

 そして今12月期は「30.2%増収(46億円)、75.7%営業増益(8億円)」計画。22年12月期(78.3%営業減益)の決算資料をチェックすると「東京支店の前倒し開設、それに伴う人件費増など、経費負担増に伴い」とある。翌期以降の大幅右肩上がりの利益増に「先行投資が奏功」だったことが、容易に読み取れる。

 リベロとはどんな企業なのか。四季報の特色欄には、「引越しや新生活に必要な手続き支援サービスに競争力、不動産会社や一般法人向けが収益柱」と記されている。が失礼ながら、隔靴掻痒の感。

 リブロの決算資料などを覗き込んでみた。が決算資料の範囲では、「当社グループは移転者サポート事業の単一セグメント・・・」。事業内容を読み解くことにならざるを得なかった。

 (*): 社宅フラットNAVI:社宅制度がない企業に対する「部屋探し」「社宅管理」「引越し手配」。累計3200社余が導入、毎年約300社が新規導入。

 (*): ヘヤワリ:リベロが借主の部屋を提携不動産会社から賃貸契約をすると「毎月2000円割引(導入企業の福利厚生サービス代行)」。

 (*): 新生活ラクっとNAVI:主に不動産会社向けサービス。部屋探しで部屋が決まった客に引越しし(業者)手配や、電気・ガス・ネット回線等々の検査。

 (*): HAKOPLA:主に引越し会社向けサービス(プラットフォーム運営)。引越し業者同士のマッチングでコスト削減・利益率アップを実現。

 etc。なるほど巧みな事業の枠組み。

 公開価格1400円に対し21年9月28日の初値は、39%近く上値の1940円。その後の値動きは昨年1月に1000円まで整理が進み2月の2177円まで一気に買い直され買い進まれ、時価は1900円台前半。予想税引き後配当利回り1.25%。予想PER19倍余。さて、どう対応するかは読者諸氏腹ひとつ・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

関連記事

最新記事