循環器系に強い医療商社:ウィン・パートナーズの足元と今後

2025年2月25日 08:54

 過日、月刊投資雑誌主催のZOOMIRに参加した。発信者はウイン・パートナーズ(3183、東証プライム市場)の秋沢英海社長。同社は「医療機器商社、心臓/循環器系カテーテルに強み」とされる。

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 取材の機会が得られると知り、まずは商品群を覗き込んでみた。

 *心臓カテーテル製品: 心筋梗塞や狭心症などに用いられる低侵襲治療製品(PCI/虚血性心疾患関連)で、国内シェア首位。

 *PCIに加えCRS(心臓律動管理関連)・CVS(心臓血管外科関連)などの心疾患分野に専門性を持ち、心臓関連製品が売上高の3分の2近くを占める。

 *主たる納入先は460近い大学病院・国公立病院。

 心臓関連製品が中軸であることは、決算資料からも容易に見て取れる。

 例えば前2024年3月期(8.8%増収、6.4%営業増益)では、「総売上高708億5447万円」に対し「虚血性心疾患関連+心臓律動管関連+心臓血管外科関連」の3分野で65%近くを占めている。また今3月期(1.2%増収(780億円)、4.7%営業増益(20億6300万円)、1円増配(51円配))計画に対し第3四半期実績は「604億3900万円、20億6300万円」だが、決算資料ではこう説明している。

 「虚血性心疾患関連: 主力商品PTCAバルーンカテーテルや血管内超音波診断カテーテルの販売が伸長などで、8%の増収となった」。

 「心臓律動管関連: 不整脈の治療で使用する植込み型除細動器、両室ベーシング機能付き植込み型除細動器ペースメーカーの販売数量の増加で、11.6%の増収となった」。

 「心臓血管外科関連: カテーテル的大動脈流弁留置術やステンドグラフト関連商品の売り上げ増で、14.2%の増収となった」。

 私自身は、医療機器の知見は乏しいと言わざるをえない。が要するに「得手分野関連では、医療機関のニーズに応じた製品の提供が可能な体制が確立している」ということだろう。

 今後について秋沢社長はどんな捉え方をしているのか。問うた。返ってきた答えはこうだった。「主力分野では商社の立場活かしたニーズに対する商品の幅を充実させていく。CRSやCVSで斯界を牽引していく。内視鏡分野にも注力していく」。主要分野での競争には負けない。脳血管外科関連等で更なる育成をと言うことだろうが、とくとお手並みを拝見したい。

 本稿作成中の時価は1300円台前半。配当性向78%超過去9年余の修正済み株価パフォーマンスは55%。予想税引き後配当利回り3.06%(単元株株主に1000円のクオカード)。中期スタンスで今後の展開を見据えるのも一法か・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る

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