上場会見で創業者が「5年後売上高目標200億円」とした、エフビー介護
2025年2月9日 21:10
エフビ―介護サービス(9220、東証スタンダード市場)。グループホームや有料老人ホームなど介護事業を、信越・北関東・首都圏で展開。福祉用具も手掛ける。
2022年4月上場。東証での記者会見で柳沢秀樹社長(現会長)は、「5年後に売上高200億円を目指す」とし、強みを「事業エリアのドミナント化を活かし、サービスのワンストップでの提供」とした。更には「M&A戦略の駆使」にも言及した。柳沢氏の後を継ぎ22年9月に代表取締役社長に就任した柳沢美穂氏も、「M&A戦略の対応」に前向きな姿勢を示している。
現にここ数年の動きを見ると、こんなM&Aを実施している。
<22年11月>: シルバーアシスト(東京多摩市)の株式を取得し子会社化。同社は訪問看護・訪問介護・通所介護などの在宅サービスを9拠点で運営。
<23年7月>: スマートケアタウン(長野県岡谷市)。株式を取得、子会社化。小規模多機能型居宅介護・通所介護拠点を展開。
さて柳沢現会長が株式公開時に掲げた「5年後売上高200億円目標」の進捗具合はどうか。斯界を取り巻く環境の中で「対応策」を講じながら着々と、が実感。
上場間もなく迎えた22年3月期は、「1.8%減収、23.0%営業増益」。以降、前期までの推移は「4.7%増収、16.4%営業減益、33円配当開始」「57.7%増収、3.1%営業減益、33円配」。そして今25年3月期は「7.1%の増収(110億9200万円)、10.5%営業増益(5億8200万円)」計画。第2四半期までの実績累計は「54億5900万円、3億3900万円」と上々。
斯界の課題とされる「スタッフ不足⇔人件費増」に関しては、これまでにも策を打ってきた。
例えば前3月期の決算資料には、「今年度より年間休日を108日から120日に増やして従業員の処遇改善を行い・・・また人材不足を補うべく海外からの技能実習生や特定技能外国人の採用を進め・・・政府による介護職員処遇改善支援補助金の活用など、介護職員の処遇改善を行った」とある。
開示済みの今期第2四半期の決算関連資料には「一部の従業員を除き固定時間労働制から変形労働時間制に移行し・・・一方業容拡大を図るため、2つのグループホームを新設」と、記されている。
22年4月7日の公開初値は1561円。公開価格1400円を11.5%上回って生まれた。本稿作成中の時価は900円台前半。予想税引き後配当利回り2.8%強。好配当利回り享受のタイミングとも思えるが、売上高200億円達成を待つのも一法か・・・(記事:千葉明・記事一覧を見る)