新NISAで円安・株高、2024年相場の幕開け

2024年1月12日 16:18

●日経平均が34年ぶりに3万5000円回復

 2024年の明けから日経平均は続伸し、1月11日には34年ぶりに3万5000円を超えた。ドル円も年明けから円安が進み、1ドル=145円台に回復している。

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 4日の大発会では、元旦に起きた能登半島地震や、2日に羽田空港で起きた日本航空(JAL)機と海上保安庁機の衝突事故などの影響で、一時770円安に下落する場面もあった。

 震災の影響により日銀が1月の会合でマイナス金利の解除を見送る公算が高くなったことで
円安も進んだ。だがそれ以上に、新NISA(小額投資非課税制度)の影響による資金流入が大きいと見られている。

 2024年は新NISAで、円安・株高の1年となるのだろうか?

●新NISAのインパクト

 23年度の税制改正により、2024年1月からNISAの非課税枠が大幅に拡充することとなった。

 年間投資枠は成長枠で240万円、積み立て投資枠も120万円となり、合計では最大1800万円の投資が可能となり、投資初心者の参入も期待されている。

 初心者にも人気であるオルカン(eMAXIS Slim全世界株式)やS&P500系の投資信託への流入が大きく、オルカンで1000億円超、S&P系も500億円以上の流入があったと見られている。

●どこまで続くのか?日本株への影響は?

 年明け相場からの日経平均は、新NISAと円安の相乗効果が大きかった。

 ただし、新NISAの投資信託における資金流入では、日本株の比率は決して高くはない。

 2023年は、投信における日本株の割合は約12%で、新NISAでシェアが上昇したとしても、20%に満たないと見られている。

 新NISAの資金流入は合計で6~7兆円になるとも見られているが、うち海外への流入が6~7割で、日本が3~4割と予想される。日本株への流入は2兆円程度となる試算だ。

 日経平均4万円超えへの期待もあるが、米国の金融政策や日銀のマイナス金利解除の状況に大きく左右される可能性も、否定できない。

 高配当株が買われる傾向にあるからこそ、権利確定日前後に売買が活発になったり、上昇局面の思わぬ利益確定も起きるリスクも考えられる。

 そうなれば、NISA本来の目的である長期投資の概念から逸脱する。新NISAだからこそ、地に足の着いた投資が求められるだろう。(記事:森泰隆・記事一覧を見る

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