太陽系天体が太陽系外から飛来したと誤認される可能性 バルセロナ自治大らの研究
2023年11月17日 20:57
地球から観測できる彗星の大部分は、太陽系の外周部にあるオールトの雲に由来するが、2019年に地球に接近したボリソフ彗星は、太陽系外から飛来したと考えられている。また彗星ではなかったが、2017年に発見されたオウムアムアは、人類史上で最初に発見された太陽系外天体である。
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地球に接近する天体が太陽系外から飛来したものかどうかの判断基準は、その軌道による。楕円軌道の場合は太陽系由来であり、双曲線軌道をとる場合には、太陽系外由来天体であると判断される。
ボリソフ彗星もオウムアムアも、太陽系外に飛び去っていく運命にあるが、双曲線軌道をとる小天体のうち、たまたま地球に衝突するものもある。これらは従来すべてが太陽系外に由来するものと考えられてきたが、最近の研究でそれらのうちの多くはオールトの雲に由来するものであることが判明した。
スペインのバルセロナ自治大学の科学者らによる国際研究チームは、地球に落下した隕石のうち、双曲線軌道をとっていたもの7例について、観測された軌道要素から経路を逆算し発生源を追跡調査したところ、5例はオールトの雲に由来していたことを突き止めた。
オールトの雲は、太陽から1万天文単位(1天文単位は、地球から太陽までの距離で約1億5,000万km)ないしは10万天文単位の距離にある宇宙空間に広がっていると考えられている存在で、太陽から10万天文単位の距離において、太陽の重力と銀河系の重力が同程度になるとされている。つまり、オールトの雲の最外周部に位置する小天体は太陽の重力だけでなく、銀河系の重力の影響を受けて、地球に接近する可能性も否定できないわけだ。
これに加え、オールトの雲にある小天体は太陽系外から接近してくる恒星(例えばショルツ星は7万年前に太陽系をかすめた)の影響を受け、地球に接近してくるケースもある。今回の発見はオールトの雲に存在する小天体に限定され、ボリソフ彗星やオウムアムアは該当しないが、「双曲線軌道天体=太陽系外由来天体」という図式は必ずしも成り立たないことは、認識しておくべきだ。(記事:cedar3・記事一覧を見る)
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