9月のバイト時給は上昇傾向続く、最低賃金引き上げも影響

2022年10月18日 08:09

 求人サイトを運営する各社が9月度のパート・アルバイト時給動向を発表。10月の最低賃金引上げなどもあり、多くの業種や職種で時給アップの傾向が続いていることが分かった。

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■アイデムは専門・技術職がマイナス

 6日、アイデムが2022年9月の「パート・アルバイトの募集時平均時給」を発表した。東日本エリアの平均時給は前年同月比7円減の1,204円となり、2カ月連続で前年同月を下回った。このうち関東4都県(東京、神奈川、埼玉、千葉)の平均時給は同6円減の1,227円だった。

 大分類の職種では専門・技術職のみ前年同月を下回り、前年同月比49円減の時給は1,580円と下げ幅が大きかったため、全体に影響を与えた。上回った職種では、事務職(1,107円、39円増)、飲食サービス職(1,044円、35円増)、清掃・メンテナンス職(1,123円、29円増)で上げ幅が大きめ。

 西日本エリアの平均時給は同11円増の1,250円。このうち関西3府県(大阪、兵庫、京都)の平均時給は同25円増の1,269円。大分類は多くの職種で上昇。特に飲食・サービス職(西日本の平均時給:1,011円、前年同月比:39円増、以下同じ)、製造関連・ドライバー職(1,039円、38円増)、清掃・メンテナンス職(1,021円、38円増)で大きく伸びた。一方、専門・技術職(1,679円、3円減)のみが前年同月を下回った。

■マイナビは2カ月ぶりに前年同月を上回る

 14日、マイナビが9月の「アルバイト・パートの平均時給レポート」を発表した。全国平均時給は前年同月比5円増の1,140円となり、2カ月ぶりに前年同月を上回った。

 職種別で時給が上がったのは、カウンター業務が1,082円(前年同月比:91円増、以下同じ)、書店・CD・DVD・レンタル店が1,018円(82円増)、家庭教師が1,624円(84円増)、ルートセールスが1,409円(397円増)、営業が1,434円(108円増)。アパレル・ファッション関連の商品管理が1,009円(137円増)。編集が1,274円(147円増)、編集・制作・校正が1,350円(191円増)、レジャー・アミューズメントのワゴン販売・売り子が1,786円(429円増)、製造・ラインが1,336円(85円増)など。

 反対に時給が下がったのは、教育職種のその他教育が1,169円(123円減)。SE・プログラマが1,432円(92円減)、イベント企画・運営が1,416円(101円減)、医療専門職が1,377円(147円減)、看護師・准看護師が1,476円(129円減)、保育士が1,366円(82円減)など。

 地域別では北海道・東北が前年同月比34円増の1,017円、関東が同5円減の1,213円、甲信越・北陸が同2円増の1,073円、東海が同37円増の1,109円、関西が同11円増の1,137円、中国・四国が同31円増の1,008円、九州・沖縄が同31円増の1,016円となり、関東エリアのみ前年同月を下回った。

■リクルートは17カ月連続で前年同月を上回る

 17日、リクルートのジョブズリサーチセンターが9月の「アルバイト・パート募集時平均時給調査」を発表した。3大都市圏(首都圏、東海、関西)の平均時給は前年同月比31円増の1,141円となり、17カ月連続で前年同月を上回ると共に、過去最高時給を更新した。10月の最低賃金引上げ、社会保険適用拡大、介護報酬改定といった労働環境に対する制度変更が影響したと見られる。

 職種別で時給が上がったのは、イベントスタッフが1,236円(前年同月比:61円増、以下同じ)、ホールスタッフが1,077円(56円増)、構内作業・フォークリフトが1,329円(62円増)、電話応対が1,164円(123円増)、コールセンタースタッフが1,531円(74円増)。営業が1,598円(185円増)、訪問介護員(ホームペルパー)が1,407円(165円増)、介護福祉士が1,416円(192円増)など。

 反対に時給が下がったのは、アパレル販売が1,036円(116円減)、保育士が1,209円(76円減)、プログラマ・エンジニアが1,166円(60円減)など。

 地域別では首都圏が前年同月比26円増の1,179円、東海が同38円増の1,066円、関西が同29円増の1,118円となり、3地域ともに前年同月を上回った。

■ディップは21カ月連続で前年同月を上回る

 同日、ディップが9月の「アルバイト平均時給調査」を発表。全国の平均時給は前年同月比31円増の1,213円となり、21カ月連続で前年同月を上回った。またアルバイト・パートの求人件数は約25万9,000件で前年同月比約1.4倍だった。

 職種別で時給が上がったのは、営業・企画営業が1,399円(前年同月比:105円増、以下同じ)、受付・秘書が1,296円(126円増)、IT・クリエイティブ/クリエイターその他が1,404円(118円増)、SE・PG・エンジニア・運用が1,630円(264円増)、調査業務が1,435円(206円増)。携帯・家電販売が1,514円(66円増)、ホール・キッチンスタッフが1,072円(64円増)、旅行が1,164円(88円増)。軽作業・物流その他が1,184円(115円増)、建築系が1,586円(323円増)、塾講師・家庭教師が1,876円(179円増)、教師・講師・インストラクターが1,841円(140円増)など。

 反対に下がったのは薬剤師・登録販売者・薬局が1,266円(137円減)、イベント関連が1,313円(448円減)、モデル・エキストラ・芸能関連が1,345円(742円減)、建築・土木その他が1,214円(198円減)、試験監督・添削が1,490円(123円減)など。

 地域別では関東が前年同月比45円増の1,261円、東海が同46円増の1,190円、関西が同42円減の1,190円、九州が同47円増の1,135円だった。(記事:県田勢・記事一覧を見る

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