大阪ガス、大阪市の本社ビル西側で商業・オフィス機能持つ複合ビル整備へ

2022年4月28日 10:02

 大阪ガスは大阪市の本社ビル(中央区平野町)のリノベーションと、西側の隣接地での複合ビル整備について本格的な検討に入った。2023年春ごろをめどに詳細を詰め、2030年ごろの完成を目指す方向。複合ビルには商業とオフィス機能を持たせ、現本社ビルは歴史的建造物を保存しながら、商業施設の誘致を視野に入れている。

【こちらも】JR東日本最大の街づくり、高輪ゲートウェイシティが2025年3月開業へ

 複合ビルの建設予定地は大ガスグループの所有地で、広さ約5,000平方メートル。現在は駐車場などに利用している。保有資産の価値向上を目指して複合ビルを建築し、商業利用と外部テナントへの賃貸オフィスの整備を考えている。同時に、Daigasグループの本社機能の移転、集約も検討する。

 現在の本社ビルは鉄骨鉄筋コンクリート8階建て延べ約1万8,000平方メートルの南館と、鉄骨鉄筋コンクリート8階建て延べ約2万8,000平方メートルの北館で構成される。Daigasグループの大阪ガス都市開発が所有し、「ガスビル」の愛称で市民に親しまれている。

 このうち、南館は昭和初期の1933年に建築された歴史的建造物で、2003年に国の登録有形文化財となった。北館は1966年、ビルの増築の形で完成している。リノベーションに当たっては、歴史的建造物として保存することを第一にし、文化庁や大阪市などと協議したうえ、学識経験者らで構成される保存検討委員会を設置。最善の方向を検討する。

 リノベーション後の利用方法は、大阪市を代表する目抜き通りの御堂筋に面していることから、商業施設を誘致し、複合ビルと一体となって地域のにぎわいを創出することを考えている。大阪ガスは複合ビルの建築と現本社ビルのリノベーションを併せて総事業費が500億円を超すとみている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

関連記事

最新記事