日本で起こった巨大噴火、その影響範囲を解明 防災計画などに貢献 産総研
2022年1月30日 08:01
産業技術総合研究所は28日、大規模火砕流分布図シリーズの最初の1枚として、「入戸(いと)火砕流分布図」を公開した。研究グループでは、大規模火砕流分布図シリーズを今後順次公開する予定で、巨大噴火に備える国や地方自治体の防災計画や、国土利用計画などに貢献することを期待している。
【こちらも】浅間山が噴火! 火山が噴火するメカニズムとは?
■大規模火砕流分布図シリーズとは?
南太平洋の島国トンガで大規模な海底火山の噴火が起こったことは記憶に新しいが、大規模火砕流を伴う巨大噴火が1度発生すれば、広範囲に渡って甚大な被害をもたらす。
その被害を最小限に食い止めるためには、巨大噴火に備えるための防災計画や国土利用計画が欠かせない。
研究グループは、このような防災計画や国土利用計画などに貢献するために、過去12万年間に日本で発生した12件の巨大噴火について、大規模火砕流の分布図を順次作成公開していくという。これらの分布図では、地表の地質調査の結果やボーリングコアデータなどを集約し、大規模火砕流堆積物の分布範囲や層厚などの情報が統一的な基準で示される。
なお火砕流とは、噴火に伴って、高温の火山ガス、軽石、火山灰などの混合体が、時速数10km~100km以上の速度で流れ広がる現象をいう。
今回公開された入戸火砕流分布図は、このような大規模火砕流分布図シリーズの最初の1枚となるものだ。
■入戸火砕流分布図
入戸火砕流は約3万年前の姶良(あいら)カルデラの巨大噴火で発生したものだ。今回公開された入戸火砕流分布図では、鹿児島湾を中心に半径約100kmの範囲に分布する入戸火砕流堆積物が、25万分の1のスケールで示されている。
研究グループは、同時にシミュレーションも実施。分布図には、このシミュレーションによって推定された噴火当時の火砕流の到達範囲と堆積物の層厚分布も示されている。
研究グループでは今後、2021年度中に、北海道南西部の支笏(しこつ)カルデラから噴出した支笏火砕流の分布図を作成。2022年度には、過去12万年間で国内最大となる噴火により発生した阿蘇4火砕流の分布図を作成したいとしている。(記事:飯銅重幸・記事一覧を見る)
関連記事
最新記事
- 過去最大規模の「Steam Next Fest」が開幕 注目作『Among Us』スピンオフなど約5,000本の体験版が無料配信
- AirPods Pro 3が169ドル(約2.7万円)に、Prime Day前に過去最安値と報道 さらに下がるかは不透明
- Microsoftらの新技術「Mirage」、GPUメモリを55分の1に削減しAI動画生成の「空間のズレ」を解決と主張
- Fable/Mythos停止後に囁かれるClaudeの「性能劣化」─安全対策が招く「アライメント税」の懸念
- AWSが第5世代の192コア自社開発CPU「Graviton5」を一般提供開始――エージェント型AIワークロードに最適化