隕石中のダイヤモンドの起源は カリフォルニア大学の研究

2020年10月2日 13:38

 隕石中にダイヤモンドが含まれている事実が世界で最初に発表されたのは、1888年のことであった。ダイヤモンドを含む隕石はその後、ユレイライトと呼ばれるようになった。これは石質隕石の1種である。

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 隕石には石質隕石、鉄隕石、石鉄隕石があるが、その9割以上は石質隕石が占めている。石質隕石は天体内部の地殻やマントルに由来するとされているが、これに含まれるダイヤモンドの由来については静水圧説、衝撃説、気相成長説などこれまで諸説があった。

 9月28日に米国科学アカデミー紀要で公表されたカリフォルニア大学の研究論文で、NWA 7983と呼ばれる北西アフリカで発見されたダイヤモンドを含む隕石と、他の2種の隕石サンプルとの分析結果が示された。NWA 7983に含まれるケイ酸塩には高度の衝撃変成作用の痕跡が見いだされたという。具体的には単結晶ダイヤモンドとナノダイヤモンドの共存が見られ、4ないし5秒程度の時間に15GPa以上の圧力が加えられたものと見られている。

 最近の研究では、惑星を起源とする隕石含有ダイヤモンドの由来は、地球のマントルの奥深くに形成されたダイヤモンドのように、大きな惑星体に20 GPaを超える静圧で形成されたことが提案されている。だがNWA 7983の分析結果から得られた圧力の推定値は、15GPaと低めであった。このような低圧でダイヤモンドが形成されるには、グラファイト中で触媒変換が起こったのではないかと論文は主張している。

 つまりミクロンオーダーのダイヤモンド結晶の形成には、惑星内部で生じるような高圧は必要とせず、隕石形成時に溶融したFe-Ni-Cが触媒作用を示した結果、比較的低い圧力下でもダイヤモンドの結晶を生じせしめたのだろうと、この論文では結論付けられている。

 ユレイライトと呼ばれる隕石は、公式データではまだ数百個程度しか存在が確認されていない石質隕石の中でも、非常に珍しいものである。とはいえ今回の論文で示された結論は、そのうちの3個に対して詳細な分析がなされた結果にすぎない。したがってこれで隕石中のダイヤモンドの由来について決定づけるのはまだ早計なのかもしれない。

 だが確実に言えることは、少なくともNWA 7983中のダイヤモンドは惑星内部に由来するものではなく、惑星が誕生する前の微惑星同士の衝突が原因で、従来考えられてきた形成年代よりもかなり古いものであるということだろう。(記事:cedar3・記事一覧を見る

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