陸上自衛隊・水陸機動団、オスプレイ搭載可能な「汎用軽機動車」

2020年9月30日 13:56

 米中関係が悪化し、尖閣諸島周辺で中国が不穏な動きを強めている。陸上自衛隊も黙って見ている訳ではなく、数年前からアメリカ海兵隊で訓練を受け、「水陸機動団」と呼ばれる日本版海兵隊を創設している。これは、いよいよ中国が尖閣諸島に上陸するようなことがあった時、奪還を主任務にしていることが強く推察される。

 「水陸機動団」はアメリカ海兵隊の運用を学んでおり、上陸作戦などの場合は先頭に立っていく部隊だ。その運搬にはV-22オスプレイを使うことも検討されている。実はそれだけでなく、新鋭護衛艦「ひゅうが型」「いずも型」が実質的に空母へ改装できるようになっており、近く同級鑑4隻が揃えられることになっている。

 これらはF-35B垂直離着陸機の運用が出来るようになっており、アメリカ海兵隊並みの航空機運用が出来るよう準備が進んでいる。自衛隊も、中国の尖閣諸島実力侵攻を想定しなければならない状況になってきているのだ。現在、中国は尖閣諸島周辺の日本の制海権を認めておらず、これを日常的に侵そうと進めている。

 また中国は、民間漁船数100隻で大挙して尖閣諸島に押し寄せ、上陸して実効支配をすることも考えられている。中国は民間漁船で押し寄せ、日本の自衛隊で武力行使が出来ないうちに実効支配してしまうシナリオで脅しているのだ。

 陸上自衛隊・水陸機動団は、尖閣諸島に限らず、日本国土に侵攻を受けると見た時や侵攻された時、オスプレイにより搬送されることも想定している。しかし、これまでの車両ではオスプレイに収まらず、載せる車両がないのだ。アメリカ軍は海兵隊専用の車両、ITV「グロウラー」を別に装備している。

 「グロウラー」は全長4.14m、全幅1.5m、全高1.84mと軽四輪車並みの大きさだが、車両重量2,058kg、積載量約910kgもあり、エンジンは水冷直列4気筒2800ccターボディーゼル、最高出力132馬力を発揮する。積載量350kg以下と規定されている軽四輪自動車に比べると、2.6倍になっている。

 日本の陸上自衛隊はオスプレイの運用を始めているが、川崎重工業・ATV(All Terrain Vehicle:全地形対応車)ベースの「汎用軽機動車」と呼ぶ専用車両を開発している。川崎重工のオフロード4WDバギー「TERYX」を基本に開発していると思われる。

 川崎重工は、トレイルアドベンチャービークル「TERYX KRX 1000」を2019年10月より北米で発売しているが、オフロード走行に優れている特殊車両だ。「汎用軽機動車」は1台約1290万円で調達し、陸上自衛隊・水陸機動団、オスプレイの本格的運用に備えている。

 中国が覇権主義をやめなければ、本格的戦闘を覚悟しなければならない状態となる。日本側がたとえ良好な日中関係を望んだとしても、背景として必要な実力を保持しなければならない情勢のようだ。

 空母部隊の制空支援を受けるとなると、F-35Bとオスプレイは連携して上陸作戦を行うこととなる。AAV7(水陸両用車)など装備品と訓練が進んでいる現状は、緊張感を持って注目すべき事態だ。平和外交が望まれるが、現実は甘くはないようだ。軽四輪自動車とほぼ同じようなサイズの「汎用軽機動車」には、日本が直面する海と島の防衛に資するため必要な能力は何なのであろう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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