新型コロナ感染、好天候での行動が影響か 季節性は低い可能性も 近大の研究

2020年8月23日 16:30

 新型コロナウイルス感染症は未だに不明な点が多いが、飛沫感染や接触感染が主な感染経路であると考えられている。人を取り巻く環境を経由して感染症が伝播していくことから、その影響を解明することが重要である。

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 同様の感染経路を有する他のウイルスでも、気象や大気汚染と感染拡大との関係が過去に報告されてきたが、近畿大学は21日、新型コロナウイルスの流行拡大と気象や大気汚染との関係を、市単位で解析したと発表した。

 今回の研究では、日本政府が緊急事態宣言を出す前の第1波の感染拡大期に限定して解析を行った。これは、緊急事態宣言によって人の行動が大きく変容する前の時期に着目したものであり、北海道から沖縄までの28地域を対象として市単位での解析を行った。

 その結果、外気温が適度に高く日照時間が長いほど感染拡大リスクが高いことが明らかになった。新型コロナウイルス自体は温度が高いほど生存率は低く、太陽光によって死滅することが報告されているが、研究結果からは、暖かく晴れた日に人の行動が増えたことによって感染拡大が発生した可能性が高いと考えられる。なお、湿度に関しては感染拡大の傾向と相関は見られていない。

 また、浮遊粒子状物質濃度が高いほど感染拡大のリスクが高いことも明らかになっている。つまり、大気汚染が悪化している地域で感染リスクが高くなる懸念が示されている。これは、大気中の粒子状物質の存在によってウイルスが気道感染するリスクが上昇していると考えられるためだ。ただ今回調査した地域をはじめとして、日本は大気汚染濃度が低いため、より濃度の高い地域での調査で因果関係を明確化する必要がある。

 研究グループによれば、他の先行研究ともあわせて考えると、新型コロナウイルスが季節性を有する可能性は低いと考えられるという。そのため、通年で感染拡大リスクを有する可能性が高くなるため、生活や行動の様式から変革する必要性がある。新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、今後も環境面からの研究のアプローチを行っていくことが望まれる。

 本研究の成果は19日付の「Environmental Research」のオンライン版に掲載されている。

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