IBM GRAFが稼働開始、精度の高い気象情報を全世界に提供

2019年11月30日 19:10

 米IBMは11月14日、高解像度のグローバル気象予報システム「IBM GRAF」の利用開始を発表した。IBM GRAFは、IBM傘下のWeather Companyと米国国立大気研究センターの協力により、次世代型オープンソースグローバルモデとして作られた。科学とテクノロジーの発展として、政府・企業・研究機関が共同して取り組んだ成果だ。

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 MPAS(スケール間予測モデル)を基盤とした新しいスーパーコンピュータ駆動型のIBM GRAFは、タイムリーな予測が難しい「雷雨レベル」まで世界規模の詳細な予測を実現した。開発の背景には、地球温暖化による全世界の気候変動が進む中、急な悪天候がますます増えてくることを懸念する状況がある。

 IBM GRAFはタイムリーであり、正確な気象情報の重要性に応える形となった。それは、これまで最新の気象データに接続できなかった地域においても、データ確認が可能になったからだ。

●IBM GRAFについて

 さらにIBM GRAFについて従来のグローバル気象予報システムと比較してみよう。IBM GRAFは、従来のグローバルモデリングシステムより、6~12倍高い頻度で気象状況を更新できることが明らかになっている。現行の気象予報グローバルモデリングシステムの場合、10~15平方キロメートルが対象になり、6~12時間ごとの更新が限界地であった。IBM GRAFにより、3キロメートル単位での予測が可能になり、更新頻度も1時間と短縮できるようになったのだ。

 IBM GRAFが高解像度と更新頻度の増加が実現できた要因は、IBMが開発したCPUとGPUの両方に最適な、POWER9を搭載した負荷に強いスーパーコンピュータの動作環境であることがあげられる。

●今後の展望

 日本や米国をはじめ、一部の先進諸国ではIBM GRAFレベルの精度により気象予測がされているが、世界レベルで見ると気象予測の精度は高くないのが現実だ。今後は、IBM GRAFにより世界的にレベルの高い気象予測が可能になるだろう。今後の展望として、広範囲の世界地域で気候変動による急な天候悪化をタイムリーに察知でききるようになるのだ。

 特にアジア・アフリカ・南米などの天候被害を受けやすい国には画期的な開発となった。世界各国の農業関係者にとって、収穫や種まきの予定を左右する革新的データ配信となるからだ。詳細に高頻度で最大12時間前に天気予測可能なIBM GRAFは、世界中の天気予報を同一水準にするものだ。

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