偶然発見された観測史上最大の中性子星 米大学
2019年9月18日 21:32
観測史上最大の中性子星が米ウェストバージニア大学の研究グループによって発見された。パルサーを観測する最中に偶然発見されたという。
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■原子時計の代わりとなるパルサー
地球から約4,600光年彼方の「J0740+6620」と名付けられた中性子星は、米ウェストバージニア州に位置する世界最大の可動式電波望遠鏡であるグリーンバンク望遠鏡により、発見された。J0740+6620の大きさは1辺当たり20キロメートルから30キロメートル程だが、その質量は太陽の約2.17倍、地球の33万3千倍にも及ぶ。研究グループによると、ブラックホールへと崩壊することのない最大級の密度をもつ中性子星だという。
研究グループは、自転周期が1ミリ秒から10ミリ秒の「ミリ秒パルサー」からの重力波の検出を試みる最中に、偶然J0740+6620を発見した。パルサーは磁極から発せられるビームで、1秒間に数百回回転する。灯台の光のようにX線や可視光線等が周期的に放たれるため、原子時計の役割を果たす。そのため、天体の質量の計測等に用いられる。
■謎の多い中性子星
パルサーの正体は中性子星だと考えられている。大質量星が超新星爆発を起こしたときに、陽子や電子がお互いに反応し、中性子からなる核だけが残る。研究グループは今回、重力による空間の歪曲が及ぼす電磁波の伝播速度の遅れ(シャピロ遅延)によって、中性子星の質量を推定した。
中性子星には多くの謎が残る。壁をつたって移動するような自由度の高い「超流動」状態に中性子星は陥っているのか。亜原子粒子のクォーク、あるいは未知のエキゾチック粒子のスープへと変化するのか。重力崩壊を起こしてブラックホールになる境界は、どの質量なのかなどだ。
今回の発見は、重力波の検出という当初の目的とは異なるが、観測から中性子星に関する重要な帰結をもたらしたと、研究グループは捉えている。
研究の成果は、Nature Astronomy誌にて16日掲載されている。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
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