マイクロソフト、AIやIoT活用しMaaS事業を支援 マーステックジャパンと連携

2019年8月30日 15:45

 日本マイクロソフト(東京都港区)は27日、革新的なモビリティサービスの実現を目指し、AI(人工知能)やIoTを活用したMaaS支援策をスタートさせることを発表した。MaaS事業を手掛けるマース・テック・ジャパン(東京都千代田区)と連携し、リファレンスアーキテクチャの提供などを行っていくという。

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 MaaS(マース)とは、“Mobility as a Service”の略で、自動車、鉄道、航空など、さまざまな移動サービスと、自動運転やAI、オープンデータなどを掛け合わせ、一つのサービスとして提供することを意味する。シェアリングサービスなども含まれ、次世代の交通とも呼ばれている。ICTやAIといったテクノロジーの進展に伴い、新たなビジネスとしてだけでなく、都市部の渋滞緩和や、高齢化、過疎化が進む地方の移動手段などの社会課題の解決策としても期待が寄せられている。

 一方で、MaaSのシステムやアプリケーションの開発には、既存のモデルや設計手法がなく多大なコストと時間を要したり、交通システムなどに精通した技術者が不足しているなど課題も多い。マイクロソフトでは、パートナー企業との連携などを通じ、こうした課題の解消を図り、新たなビジネスの創出を支援するとしている。

 具体的な施策としては、リファレンスアーキテクチャ(サービス構築に必要なシステム構成など定型化したもの)の提供や、技術者育成プログラムの提供、技術支援、パートナーマッチングなどによる新規ビジネスの開発支援などを行う。

 今回の支援策ではリファレンスアーキテクチャの提供が一つの目玉となっている。MaaS事業でコンサルティングやプラットフォームの開発などの先進的な取り組みを手掛けるマース・テック・ジャパンとのパートナーシップの下、MaaSリファレンスアーキテクチャの提供により、サービス構築にかかるコストや時間を削減し、各社独自のモビリティサービスの開発にリソースを集中することができるとしている。

 マイクロソフトの試算では、新規サービスの開発期間は5割、実装方式の設計コストは7割、将来的な運用コストは5割削減できる見込みだという。今後は、こうした支援策を通じてMaaS 領域での新規ビジネス創出を目指したエコシステムの拡充を図っていく考えだ。(記事:Kei_T・記事一覧を見る

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