絶滅危惧種の「絶滅危険度」をゲノム情報から評価 東北大などの研究
2019年6月30日 07:01
現在の地球上では、多くの生物種が絶滅の危機に瀕している。人類は往々にしてその原因を作り出している側にあるが、しかし人類の手による、種の保存のための施策も多様に執り行われているという一面もまたある。今回紹介する東北大学・京都大学・東京大学の共同研究は、絶滅危惧種の絶滅への危険度、すなわち「弱さ」をゲノム情報から解析するというアプローチである。
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一説に、現在の地球は「6度目の大絶滅」に直面しているという。太古の昔に、ビッグファイブと呼ばれる5度に及ぶ大絶滅が発生していることを受け、現在、人類文明の発展によってもたらされている数多の生物種の絶滅をその「6度目」と位置付ける考え方である。
その論の是非はさておくとして、絶滅危惧種の保護において難しい問題のひとつは、絶滅危惧種の絶滅リスクを定量的に評価する手段が乏しい、というものである。そもそも絶滅とはほど遠い、侵略的外来種と呼ばれるような繁殖力旺盛な生物と、離島などにあって絶滅に瀕する地域的固有種のあいだにはどのような違いがあるのだろうか。
今回の研究では、小笠原諸島の絶滅危惧植物6種と、その近縁にあたる普通種のあいだのゲノム比較が行われた。
絶滅危惧種6種とは、シマカコソウ・コヘラナレン・ヘラナレン・ユズリハワダン・ホシツルラン・ムニンノボタンである。解析の結果、これらの植物のゲノムは、近縁の普通種に比べて遺伝的多様性は低く、有害な変異が蓄積しており、また重複遺伝子含有率は低かったという。
今回の研究は、生物保全に向けた種の絶滅の危険性評価の、新しいアプローチの実現に繋がるものであるという。
研究の詳細は、Communications Biology誌(電子版)に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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