仕事のモチベーション低下を招く先輩からの一言とは

2019年5月6日 11:46

 すぐ辞めてしまう新人の話題は毎年絶える事がない。入社式が行われてから1カ月が過ぎた頃には、部下が退職願を出したとか後輩が会社に来なくなったとか、この手の話があちこちで頻繁に飛び交っているのが恒例だ。SNSでいつでもどこでも誰とでも繋がれる現代においては、近頃のあり得ない新人の有り様を紹介し合う傾向も見られる。

 しかし同じ会社で働いていくうえで不満を募らせているのは先輩社員だけではない。ソニー生命保険では社会人1年目から2年目の男女1,000人を対象に、先輩に言われたらやる気を失ってしまうセリフに関して調査を行った。これによって見えてきたのは、何気なく言われた先輩のセリフで傷ついてしまう新入社員たちの心情だ。

 入社間もない若者たちが先輩社員から言われて最もやる気を失うセリフは、「この仕事向いてないんじゃない?」だった。これが全体の31%を占めている。少なからずその会社に希望を持ちながら働き始めてみたとしても、入社してから1年目や2年目であっては今の仕事が自分自身に合っているかどうかは分からないものだ。悩みや不安を抱えながら仕事に向き合っている中で、先輩社員から水を差すような一言をもらってはモチベーションが下がってしまうのも仕方がないと言えるだろう。

 その次に多かったのは25.5%の「やる気ある?」、さらにその次は23.7%の「ゆとり世代だなあ」である。やる気はあっても数字や結果に繋げられない事は誰にでもあるが、仕事に取り組むプロセスを評価しようともしない人から、やる気がないと思われてしまうのは多くの新人にとってショックだろう。また、ゆとり世代といった世代をひとくくりにしたある種の差別発言も、自分自身の頑張りについては一つも評価されていないという確信と不満に繋がりやすい。

 新人と先輩という関係性は一度亀裂が生じてしまうと修復するのは難しい。後々の業務を行う上でも支障を出してしまう恐れまである。折角入って来た新人がすぐ辞めていった新人にならないよう、かけてあげるべき一言についても注意を払うべきかもしれない。(編集担当:久保田雄城)

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