スバル・新型フォレスター「e-BOXER」に乗ってみよう(2) マツダ・GVC プラスとの闘いは?

2019年3月4日 15:14

 スバルグローバルプラットフォーム(SGP)を使った車種である、インプレッサやXVなどのハンドリングはかなり良い。低価格車であるインプレッサのハンドリングは、高級スポーティーカーのそれに匹敵する。直進安定性に優れ、ハンドリングは敏感でありながら、コーナリング中も含め、修正舵は最小なのだ。長距離でも疲れない車となる。XVとなると、僅かにハンドリングが変わる。直進安定性がわずかだが劣るのだ。これは、2016カーオブザイヤーを獲ったインプレッサの出来が余りにも良いと言うべきであろう。それにSUVであるXVの背の高さ、着座位置の高さが災いしているようだ。

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 さて、ハンドリングについて、スバル・新型フォレスター「e-BOXER」はどのような出来であろう。最低地上高は22cmと高い。どうしてもローリング、ピッチングなどの動きが出やすい構造だ。しかしスバルは、構造的にかなり旧型と比較して工夫してきている。具体的にはマスオフセットの削減、リアスタビライザーを直付け、ロールセンターとサブフレームの弾性センターを一致させるなど、SGPの剛性アップに加えて対策している。つまり、ボディ全体が背が高いのでゆすられないようにしているのだ。

 これはかなり効いているようで、実際に試乗してみると、コーナリングに入る時のノーズダイブやローリングを制御することに成功していると感じる。しかしマツダ・新型CX-5の「G-ベクタリング コントロール プラス(GVC プラス)」のコントロールには、適わないようだ。好みの問題もあるが、乗り心地、ハンドリングでどちらがスムーズであるかと言えば、マツダのGVCプラスの勝ちだろう。それでもスバル・新型フォレスターの、レベルの高い“メカニカル”なコントロールのほうが、私は好ましく感じる。車の動きがダイレクトに感じられる。マツダのGVCプラスになると、「自分の操縦感覚」などと言ったレベルではなく、「コントロールされている」と言った感覚になってしまう。それほど、良くコントロールできているということでもある。

 スバル・新型フォレスター「e-BOXER」の乗り心地、ハンドリングは、やはりかなり高いレベルに仕上がっているが、どうしてもSUVスタイルの「物理的なハンディ」とも言える「ゆすられる」感覚は出ている。もっともインプレッサに比べればの話だ。むしろ、スバル・新型フォレスター「e-BOXER」のほうが普通の車の感覚だ。インプレッサの「水平を保ったまま旋回している」感覚は、チューニングカーのレベルだ。

 それにしても、最近の国産車のレベルの高さは、評価しきれない領域に入っているようだ。これほどの車を造りながら、品質保証のレベルを落としていることは誠に残念だ。早い立て直しの実行を望んでいる。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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