シカネズミの体毛色の淘汰による急速な進化を実証、藤田医科大などの研究

2019年2月6日 15:40

 藤田医科大学の若松一雅特任教授らが参加する国際研究グループが、野生マウスの一種であるシカネズミの体毛色が、環境圧による淘汰によって急速に適応進化することを実証した。

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 シカネズミというのはアメリカ大陸に生息している野生のネズミの分類である(厳密には特定の種ではなく、60あまり確認されている複数の種の総称となっている)。もともと、森で暮らすものは褐色、平原・砂漠に住むものは砂色を示すことで知られている。

 さて、進化についてである。紐解けばダーウィンの進化論から、適応と淘汰は進化論の重要なテーマであり続けた。より環境に適応できた個体群が生き残って子孫を残すというわけだが、ダーウィンが『種の起源』を著してからというもの、これを「科学的に実証」するために途方もない労力が注ぎ込まれ、そしてまだその営為は完了した段階にあるとは言えないのである。今回の研究はそれを実証するための確認作業の一つである。

 アメリカ・ネブラスカ州にサンドヒルズと呼ばれる砂丘がある。1~8万年前の明るい色の石英でできた砂地であり、周囲の土地と比べて色が明るい。周囲と色が異なるということは、周囲の他のエリアとは天敵である鳥の目をくらませるのに必要な体毛色が異なるということである。

 研究により、シカネズミの体毛色はアミノ酸のセリン欠損変異という遺伝的変異によって明るくなることが知られている。捕獲した野生マウスを明るい囲いと暗い囲いの中で飼育し、生存率を求めたところ、暗い囲いの方が2倍高くなった。また、生き残ったマウスは、暗い囲いにおいては平均1.98倍、暗くなった。

 以上のことから、明るい体毛のシカネズミと暗い体毛のシカネズミが、地面の色に応じて急速な進化を見せることが実証されたわけである。

 この研究の詳細は、Scienceに掲載された。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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