乃木坂46 能條愛未とは何者だったのか?

2018年12月7日 12:30

 12月4日、乃木坂46若月佑美の卒業セレモニーは、多くのメディアが伝えているように、若月佑美のメンバー、そして乃木坂への愛情と、メンバー、そしてスタッフの若月佑美への愛情が極限まであふれ出す素晴らしいイベントとなった。

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 記者も参加したが、「最後まで与える人でありたい」という思いを花に込めて、メンバー1人1人に手渡ししていく若月の姿に、不覚ながら涙をこらえることができなかった。

 本来ならすぐに記事を書くべきではあったのだが、記者にはもう一つの想いがどうしても心にのしかかっていて記事にできなかったことを深くお詫びするとともに、改めてその思いを記事という形にしたい。

 そう、卒業セレモニーに、本来いるべきメンバーが一人かけていたのである。

 能條愛未。

 卒業を表明してはいるが、12月15日までは、れっきとした乃木坂46のメンバーであるはずの彼女の姿はそこにはなかった。それが運営の方針だったのか、彼女の意志だったのか、あるいは他になにか事情があったのかはわからない。

 しかし、本来そこにいるべき彼女の姿がなかったことが、記者にはものすごく大きな違和感、ひいては寂しさや悲しみを増幅させたことは事実だ。

 2014年4月13日、乃木坂初のアンダーライブが、全国握手会の会場で行われた。

 楽天の企画ライブで、無料ではあったが、カード作るか、一定の金額を使うかの条件付きとなっており、そのハードルはなかなか高く、会場が埋まらなかったのは事実だ。

 だが、そのライブの直後、上手くメンバーに話をふれなかったとMCを担当した衛藤美彩が泣き崩れ、元気者の斎藤優里も「そんなことない」と言いながら涙声になっているとき、真剣な顔で「みんな(衛藤に)感謝してる!」と何度も繰り返していたのが能條だった。

 彼女の卒業発表のときにも触れたが、とにかく不器用な人である。ルックスも、歌やダンスのスキルも、選抜と遜色ない実力がありながら、乃木坂というグループでなかなか報われなかったのは、瞬発力がなかったからだろう。

 バラエティ班と言われる秋元真夏や天才といわれる生田絵梨花は、フリートークでの何気ない返しがとても上手いのだが、能條や川後、あるいは卒業した川村真洋あたりは、ふられた瞬間、少しテンパってしまうため、妙な空気になってしまうことが多い。また、素直すぎるために、雑ないじりをされると、ほんの少しだが悲しそうな顔を見せるため、秋元真夏ほどツッコめないということもある。

 作り込んだコントチックな場面や、キャラをしっかり与えられている場合は、能條は確実に結果を出せるのだが、どうしても当意即妙なトークに難があり、それが最後まで克服できなかったのだという印象が記者には強い。つまり彼女は、コメディアンやバラエティ班というより、コメディエンヌとしての適性が非常に高いのである。

 記者が好きな女優に、『ヤング・フランケンシュタイン』や『トッツィー』で存在感のある演技を見せたテリー・ガーという女優がいるのだが、能條愛未こそ、日本のテリー・ガーになれる逸材ではないかと思っている。

 まるで、その存在がなかったことにしたいのではないかと思われるほど、寂しいアイドル人生の先に、大きな成功と幸せが待っていることを望みたい。(記事:潜水亭沈没・記事一覧を見る

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