オフィスでの「座りすぎ」、8割が健康に問題と認識 経営者と従業員では差も

2018年11月2日 11:42

 コクヨは10月31日、オフィスでの座りすぎに関する意識調査の結果を発表した。全体で4割近くが「座りすぎについて問題がある」と回答した一方で、経営者と従業員では回答に20ポイント以上の開きが見られるなど、意識の溝が見られた。コクヨでは座りすぎの解消のため新たな商品開発を行っているが、「座りすぎ」に関する意識の啓発が不十分な実態が浮き彫りとなった。

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 調査は会社員、経営者など1,012名を対象に行われた。「座りすぎによる健康被害」について「問題だと思う」と回答した割合は79.6%にも達した一方、従業員側では80.0%にまで達したが、経営者では53.8%にとどまっている。

 従業員の中でも違いが見られた。「問題だと思う」との回答割合は、契約社員が86.3%、派遣社員が83.9%と、正社員の79.3%より多くなっており、職場での立場でも座りすぎについての問題意識に差異があった。

 座りすぎによる健康被害は実際に深刻であるとの研究データがある。オーストラリアでの研究によれば、1日の座っている時間が4時間未満の人と11時間以上の人との間では死亡リスクについて後者のほうが40%以上高くなることがわかった。座りすぎについては毎日の運動でもリスクを解消できないことが分かっているため、より座りすぎについては注意が必要だ。

 また、日本は座っている時間が世界の中でも特に長いことが分かっている。シドニー大学の研究のよれば統計を取った20カ国の平均座位時間が5時間なのに対し、日本は7時間。20カ国中で一番長い時間だ。長時間労働になりがちな日本の労働環境では、座っている時間も比例して長くなるからと考えられている。

 座っている時間が長いと、ふくらはぎの血流が滞り、血栓ができやすくなる。この血栓が血管をふさぐようになると、血管トラブルを引き起こす。最悪の場合は静脈血栓塞栓症により死に至る場合もあるのだ。

 コクヨは座りすぎによる体の固定化を防ぐため、座面が揺れるオフィスチェアー「ing」も開発。座りすぎに対する健康への影響は、このような機能的なイスを導入することも効果的かもしれない。一方で、座りすぎによる健康被害があることについては、より意識的になることが重要になってくるだろう。働き方改革が叫ばれる今日では、「座り方」に対する議論もなされるべきかもしれない。(記事:藤原大佑 ・記事一覧を見る

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