銀座三越、地下1階に訪日客向けのデジタルサイネージシステムを導入

2018年10月22日 21:17

 東京都中央区銀座の銀座三越は、地下1階の化粧品売り場に店舗案内用のデジタルサイネージシステムを導入した。英語、韓国語など5カ国語に対応しており、急増する訪日外国人観光客向けのサービスを強化するのが狙い。店舗の戦略的なプロモーションにも活用している。

【こちらも】4月の全国百貨店、訪日外国人向け免税売上高が初の300億円超え

 デジタルサイネージシステムはデジタルソリューション開発のウィルスマートが開発した。ウィルスマートのクラウド型デジタルサイネージシステムを百貨店向けに改良したもので、日本語、英語、韓国語、中国語の繁体字、簡体字に対応している。

 来店客が目当ての商品や店舗名を検索すると、フロアマップが表示され、ルート案内で売り場を簡単に見つけられるようにしている。検索も大型のタッチパネル上で行うため、初めての来店でも戸惑うことなく商品や店舗を探せる。ほかに期間限定商品やおすすめ商品、店内イベントなどの案内も表示している。

 設置した場所は東京メトロ銀座線、丸ノ内線、日比谷線の3つが乗り入れる銀座駅と直結された地下1階の正面。地下鉄で来店した訪日外国人観光客をスムーズに受け入れ、店内案内するのが目的の1つで、既に多くの訪日外国人観光客がシステムを利用して買い物を楽しんでいるという。

 訪日外国人観光客の消費動向は家電製品や貴金属など高額商品に群がるのではなく、化粧品など日用品にシフトしている。銀座三越は一般の百貨店が1階に置く化粧品売り場を地下鉄と直結した地下1階に設けていることから、訪日客の増加とともに地下1階の混雑が加速している。

 特に、開店時は訪日外国人観光客から各ブランド販売員やフロアコンシェルジュに対し、店舗案内の要望が相次ぎ、本来の業務である接客や商品案内に十分な対応が難しい状況になっていた。秋の行楽時期を迎え、中国人観光客のさらなる増加が予想されることもあり、対応策としてデジタルサイネージシステム導入に踏み切った。(記事:高田泰・記事一覧を見る

関連記事

最新記事