2020年に実施予定のNASAによる火星探査 着陸地点の選定が大詰めに
2018年10月19日 18:07
米航空宇宙局(NASA)が計画する火星探査ミッション。火星の地表を走るローバーを2020年に着陸させ、探査する予定だが、NASAは、4つの候補地から最終的な上陸地点を決める作業に入ったことを伝えている。
【こちらも】NASAの火星探査車Curiosity、メモリー保存データを送信できないトラブル
■困難の伴う火星探査
宇宙開発において、火星探査は重要なミッションのひとつに数えられる。Space XのCEOであるイーロン・マスク氏が火星への移住計画に熱を上げている一方、火星探査ミッションは非常に困難が伴う。
火星探査ミッションを実施したのは、ソ連(のちのロシア)、ヨーロッパ、日本、アメリカといった国々だ。ところが、火星探査ミッションの成功率は低い。火星の大気と太陽風との関係を研究するために1998年に打ち上げられたのぞみ(PLANET-B)は、2003年に火星に到達したものの、度重なるトラブルにより周回軌道への投入を断念した。
火星探査で実績を数多く残すのが、NASAだ。「バイキング計画」と呼ばれる火星探査ミッションにより、1970年代に2機の探査機を火星に着陸させるのに成功した。現在も、オポチュニティーやキュリオシティといった火星探査ローバーが運用されている。
■2020年に運用予定の火星探査ローバー
2020年に火星探査予定の「マーズ2000」と呼ばれるローバーは、すでに運用されているキュリオシティをもとに設計された。マーズ2000に搭載される装置は、世界中から集まった58もの提案のなかから7つが選ばれた。装置の開発には、総額で約130億ドルもの予算がかかるという。
マーズ2000の目的は、火星表面上の岩や土壌のサンプルを地球に持ち帰ることだ。持ち帰ったサンプルを科学者が分析し、火星に定住できるかや、過去に火星に生命が宿っていた兆候があったのかが調査される。
着陸させる場所を適切に選ぶことも、マーズ2000による火星探査を成功させるために不可欠だ。火星探査ミッションの成功率の低さから、場所の選定には慎重な判断が求められる。
3回のワークショップを経て、2017年に20の候補地から、大シチリス、「イェゼロ」と呼ばれるクレーター、コロンビアヒルズの3つの場所が着陸可能な場所として選ばれた。しかし、イェゼロと大シチリスとのあいだに位置するミッドウェイも、着陸可能な場所として浮かび上がったため、候補地の1つに追加された
次回実施される4度目のワークショップで、4つの候補地について議論が行われる。科学コミュニティからの情報やヒアリングをもとに、最終的な判断が下されるという。(記事:角野未智・記事一覧を見る)
最新記事
- NVIDIAら、実機ロボットの研究開発を完全自動化するフレームワーク「ENPIRE」発表―AIが検証からコード修正まで実行
- Z.aiが「GLM-5.2」のオープンウェイトを公開、性能はClaude Opusに迫るもAPI経由のデータ送信に中国法上のリスク指摘
- 【内部リーク】Metaが数千人の技術者をAI訓練用のデータ作成に投入、社内からは「強制収容所」と自虐する不満が噴出
- 『R-Type Tactics I・II Cosmos』が6プラットフォームで海外発売へ―幻のPSP続編が16年越しに初の英語化
- ChatGPTのシェアが初の50%割れ、GeminiとClaudeが猛追――Sensor Tower調査