東大など、メタンで生きる深海底微生物の代謝機構を発見
2018年9月26日 11:21
深海には生物活動によってメタンが大量に蓄積されている。だが、大気中の放出量から割り出すと、そのメタンは何処かへ消えてしまっている計算になる。恐らくメタンを分解する生物などが存在するのだろうと推論されていたのだが、このたび、メタンを代謝して生命活動を行う深海底の始原的生命の代謝機構が、東京大学、北海道大学、海洋研究開発機構(JAMSTEC)などの共同研究グループによって発見された。
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メタンはとてつもない威力を持った温室効果ガスである。二酸化炭素の25倍の影響がある。もしも海底で生成されているはずのメタンがそのまま海上・大気中に浮き上がってきたと仮定すると、人間の文明活動によるそれなどは問題にならないレベルの地球温暖化がとてつもないスケールで進展するはずである、と考えられる。
だが現実にはそのようなことは起きてはいない。そこで、海底に何らかの形でメタンを代謝する生物が存在しているのではないかと古くから考えられてはいた。暗黒の海底下で暮らすこの生物を、嫌気的メタン酸化アーキア(ANME)という。
ごくかいつまんで説明すると、彼らはメタンを消費するにあたって、炭素12と炭素13のうち炭素12の方を選択的に濃縮して、地球上でもっとも軽いアミノ酸を形成して生きているのだという。
さて、今回の発見から、大きく三つの可能性が展望される。
まず、アミノ酸の炭素濃縮というものが栄養学的に大きな意味を持つのではないかということ。ふたつめは、分子レベル・細胞レベルでの有機分析技術が示されたこと。そしてみっつめ。酸素の存在しない惑星において、メタンを代謝して生きる地球外生命体が存在する可能性が(あくまで可能性ではあるが)示唆される、ということである。
なお、今回の研究の詳細は、英国の科学誌「Scientific Reports」に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る)
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