神戸市とコープこうべ、10月1日から食品ロス防止キャンペーン

2018年9月24日 20:46

 日本国内で国連世界食糧計画の年間援助量の約2倍に達する食品ロスが発生している問題で、神戸市と生活協同組合コープこうべは10月1日から1カ月間、食品ロス防止キャンペーンを展開する。実施店舗は神戸市中央区中山手通のコープこうべ山手店など、コープこうべの市内34店で、5日に山手店でPRイベントも予定している。

【こちらも】ホットペッパーが料理を持ち帰る「シェアバッグ」、横浜市と共同実施

 PRイベントはキャンペーンの重点取り組み店舗に選ばれた山手店で催される。食品ロスを出さない購買行動の説明や食品ロス量の体感コーナー、賞味期限の長い商品と短い商品の味比べコーナーの設置など多彩なプログラムが予定されている。

 コープこうべはコープミニ、コープリビングを除く市内34店のうち、山手店に加えて西区桜が丘中町の桜が丘店を重点取り組み店舗に指定、期間中に牛乳や鮮魚、精肉など生鮮食品に専用値引きシールを貼付して食品ロスを出さない商品販売を進める。さらに、買い物かごや店内に啓発ステッカー、ポスターを張り、来店客にPRする。この2店以外の32店でも、啓発ポスターを展示するなど呼びかけを進める。

 コープこうべは4月に策定した環境チャレンジ目標の「エコチャレ2030」で、2030年までに店舗などから出る食品廃棄物を半減させる目標を掲げた。神戸市も2016年に公表した一般廃棄物処理基本計画でごみ排出量の10%削減を目指している。食品ロスの防止が両目標の達成に欠かせないとして、共同でキャンペーンを実施することにした。

 消費者庁によると、日本国内で発生する食品廃棄物は2015年度推計で年間2,842万トン。このうち、食品ロスが646万トンを占め、国民1人当たりに換算すると51キロに及ぶ。毎日大型トラック1,770台分の食品が廃棄されている計算で、国連世界食糧計画が1年間に援助している320万トンの2倍に当たる。

 食品ロスの内訳は事業系廃棄物由来が357万トン、家庭系廃棄物由来が289万トン。半分近くが食べ残しや手つかずのまま廃棄するなど家庭で発生しており、食品ロスを出さないための啓発活動が重要になっている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

関連記事

最新記事