儲け上手な壽屋のEC戦略

2018年9月6日 16:32

 昨年9月に株式を公開した壽屋の上場後初の決算は、計画を上回る公算が大きい。「4.5%の増収(83憶6800万円)、34.2%の営業増益(6億3400万円)、42.5%の最終増益(3億5800万円)」予想で立ち上がったが、既に開示済みの第2四半期の実績は売上高こそ計画に対する進捗率56%強も「営業利益:63.7%、最終利益:67.6%」と上振れを期待させるものとなっている。

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 同社は1953年に「玩具店」として始まっているが、伸長・上場の最大の要因は「フィギア(人形)・プラモデルの企画開発・製造販売」に求められる。例えば2015年5月に発売した「フレームアームズ・ガール」シリーズは、今年2月に出荷数で100万個を突破した。オリジナルロボットコンテンツの各機体を『美少女化』したスピンオフシリーズのフレームアームズ・ガールは昨年4月にアニメ化された。そして10月18日に発売したアニメのブルーレイディスクは、週間オリコンランキングの「ブルーレイ・アニメ部門」1位を獲得している(10月30日)。

 商品力が成長の礎となっていることは言うまでもないが、販売方法/販促方法の在り様の貢献度も高い。前者は「EC(コトブキヤオンラインショップ)」の活用である。昨年6月期のEC売上高は前年比約65%増の14億円と総売上高の17.5%を占めている。ECへの注力姿勢は清水一行社長の「EC限定カラーや表情は少し変えているが、特典パーツをつけたプラモデルがファンからの人気を集めている」といった発言からも、容易に読み取れる。後者はSNSを巧みに活かしている点だ。同社のフェイスブックのフォローワー数は、4万人をこえている。そんなフェイスブックやSNSに、未発表の新商品情報を発信している。そして発信だけにとどまらない。その反響のいかんで生産数の調整をするマーケティング機能の役割も果たしている。

 前期末のROEは21.3%。「儲け上手」を示す数値。上場によって手にした資金は「量産のための金型代に充てる方針」と、儲け上手の盤石化を図る姿勢を見せている。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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