【スバル記者会見(2)】「組織としてのコミュニケーションの在り方」が分かっていない

2018年7月9日 21:53

【ポイント2】:現経営陣は、「組織としてのコミュニケーションの在り方」が分かっていない

 そこで、「日々緊張感を持続し、考えながら」仕事をしていく必要がある。製造業の0.01%の不良率を争う仕事とは、どの様なものなのか?日常生活でも我々は日々間違いを犯していくものだ。それなのに、1/10000(0.01%)の不良を取り除いて「ほぼ100%」の動作をする必要に迫られるのは、大変苦しいものだ。しかし、それが出来ないと自動車や飛行機など、危なくて実用になるものではない。これを、作業員数万人の連携で実現していくのだ。

【前回は】【スバル記者会見(1)】 深刻な闇 「社内調査チームが弁護士中心であった」ことが間違い

 これには、「マニュアル」があっても役には立たない。上司が命令していても届くものでもない。スバルでは「コミュニケーション不足」と調査した弁護士に言われたと吉永社長(現・会長)は語っていたが、「品質管理のコミュニケーション」を弁護士が理解できるはずもない。それなのに、吉永社長は「なぜ弁護士に調査を依頼したのか?」が不思議だ。

 弁護士に調査を依頼した時点で、現場は「責任を取らされる」となったことは想像に難くない。これが現在までのところのスバルの体質なのだ。専門知識のない弁護士から「不正な行為はあるか?」と、漠然と「容疑者」として詰問された社員は「余計なことはしゃべらない」となったはずである。一方で、国土交通省の監督官は専門知識があり、具体的可能性を質問されたので告白することになったのであろう。もしかしたら、専門知識のある国土交通省の監督官には、作業者の「日ごろの愚痴」を吐露しているのかもしれない。仕事の段取りなど「やりにくさ」を愚痴ったのかもしれない。

 吉永社長以下、現経営陣は、「組織としてのコミュニケーションの在り方」が分かっていないようだった。記者会見で語られた吉永社長のコミュニケーションに関するイメージは、あくまでも「トップダウン」であり、「ボトムアップ」のイメージは「アンケート」のようなものと認識しているようだ。作業者と管理者のコミュニケーションにおいて、「対等にものを言い合う」ことがどのようなことであるのか?のイメージは吉永社長の言葉からは出ていなかった。

 係長は班長の先輩であり、同じ作業の経験者であることが多い。作業者にとっても係長は仕事の先輩であり、多くは作業者より仕事の経験が豊富で、指導者でもある。その先輩に数十年も相談していなかったとすることは、きわめて不自然だ。課長も、部長も、ましてや品質保証本部長が、「現場の仕事の面倒を見てやれてない」ことは「仕事になっていない」と言えるのだ。通常、他部署からの転出した本部長でも、「設備投資」などの判断基準で仕事の内容に精通しているものだ。

 スバルでは測定室の空調設備が古かったようだが、14%もの不良率が出る測定室の設備について、現場から更新の要請が出ていないとは「恐ろしい」ことだ。会社ぐるみで「新車検査」を封じ込めていたと言えるであろう。「全く機能させる意思がなかった」と言えるほど異常なのだ。「形骸化」との言葉では言い表せないほどの「放置」だ。

 次は、スバル経営陣が「不良品はない」とする根拠を見てみよう。(記事:kenzoogata・記事一覧を見る

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