理研ら、ウィルスへの抗体が作られる経路を解明!効果の高いワクチン開発へ期待
2018年4月22日 08:15
ウィルスや細菌(病原体)から感染を守るための抗体が作られる経路が解明され、より効果の高い新しいワクチン開発への期待が高まっている。
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抗体が作られる経路を解明したのは、理化学研究所や大阪大学が中心となった共同研究グループ。
共同研究グループは、抗体を作り出すB細胞から分化したプラズマ細胞に注目した。
プラズマ細胞は、2種類存在し、一つは攻撃スピード重視でウィルスと親和性の低い抗体。もう一つは胚中心という場所で作られるウィルスと親和性の高い良質な抗体(破壊力が高い抗体)である。
その胚中心に存在するB細胞、胚中心B細胞が、自らの抗体遺伝子に変異を繰り返すことで、自らの抗体としての性能を高めていき、親和性の高いプラズマ細胞へと分化すると考えられてきた。
しかし、胚中心B細胞から分化したウィルスとの親和性が高いプラズマ細胞と、他のタイプのプラズマ細胞とを識別する方法がなかっため、分化の経路は明らかになっていなかった。
ちなみになB細胞というのは、白血球の中のリンパ球の一種で、約20~40%を占める免疫細胞のことである。
そこで研究グループは、胚中心B細胞には、プラズマ細胞への分化が既に始まっているものが存在するのではないかと仮説を立てた。そして、胚中心B細胞を研究、解明していくことにより、胚中心B細胞の中に存在する転写因子と呼ばれる、遺伝子の発現を調節するタンパク質の一種が、大きく関係していることを発見した。
さらに転写因子が、プラズマ細胞へ分化へするためのシグナルを送る、濾胞ヘルパーT細胞(リンパ球の一種)が、シグナルの強さによってプラズマ細胞への分化を制御しているところまで突き止めることに成功。
その結果、ウィルスとの親和性が高い、胚中心B細胞から分化したプラズマ細胞が作られる経路が解明されたのである。
理研では、今回の研究結果を応用し、『高親和性の抗体をつくるプラズマ細胞を効率良く誘導する方法を開発することが、新しいワクチン戦略の一つの鍵になると期待している』としている。(記事:和田光生・記事一覧を見る)
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