理研、スパコン「京」でペロブスカイト太陽電池の候補素材を51種に選定

2017年10月8日 07:44

 現在、次世代の太陽電池としてにわかに注目を浴びている「ペロブスカイト」。だがこれは構造の名であるので、どのような素材をもってペロブスカイト太陽電池を作るのがよいかはまだ未解決の問題である。そこで理化学研究所(理研)は、スーパーコンピュータ「京」の演算によって適切な材料を選択、1万1,025の候補化合物を、51種にまで絞り込むことに成功した。

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 ペロブスカイトとは、ここでは正確にいえば有機と無機のハイブリッド構造を持つペロブスカイト結晶構造、ハイブリッド型ハライドペロブスカイトのことである。

 代表的なペロブスカイトにはメチルアンモニウム鉛ヨウ素やホルムアミジン鉛ヨウ素といった鉛化ハロゲン化合物があり、これらは低コストで容易に合成が可能であるが、鉛を含むため人体に毒であり、また環境に対しても有害であるから、太陽電池としての実用には適さない。そこで、毒性のないペロブスカイトを実現する材料の開発が急務となっている。

 今回の研究では、二重ペロブスカイトの理論的探索が行われた。二重ペロブスカイト構造を取りうる化合物は、1万1,025通り存在すると考えられる。

 まず、これらの中から、光をよく吸収するペロブスカイトを選択した。特に、薄いセルを低コストで作成できる「直接遷移ギャップ」を持つペロブスカイトが選ばれた。

 さらに、電子的な伝導性の高いペロブスカイトを絞り込み、最後に、毒性元素である鉛、水銀、カドミウム、ヒ素、タリウムを含むペロブスカイトを除外したところ、残った数が51であったというわけである。

 今後の研究展望としては、これら51種類の材質で実際にペロブスカイトを合成し、それぞれの太陽電池としての性能を評価したいという。なお、研究の詳細は、米国の科学雑誌『The Journal of Physical Chemistry Letters』のオンライン版に掲載されている。(記事:藤沢文太・記事一覧を見る

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