キャッシュカード不要で出金 vs 走るATM車 変わる銀行の姿

2017年9月8日 20:22

 じぶん銀行(KDDIと三菱東京UFJ銀行が合弁で設立)は8月末から、セブン銀行のATM(約2万3000台)でキャッシュカードなしでもスマホで入出金できるサービスを開始した。あらかじめスマホのアプリに取引金額を入力。ATMの画面上のQRコードをスマホで撮影し本人確認をし、入力済みの金額が出し入れできるという仕組み。所要時間約40秒。なんとも便利な時代になったものである。

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 だがそうした一方で、こんな現実もある。高齢化社会の進行の中で地銀や地域信用金庫が俗に言われる「走るATM」(移動銀行窓口車)に注力している。エリア内の隅々にまで車を走らせ、窓口に出向けない預金者や近場にコンビニATMなどのない利用者をフォローする施策である。

 そもそもこのサービスを早期に始めたのは「当行は金利面で勝負することはしないしできない。代わりにサービスで戦う」と公言してはばからない、岐阜県の地銀・大垣共立銀行の土屋嶢・現頭取。土屋氏はこの他にも1994年に365日稼働のATM(サンデーバンキング)や、95年には「エリア内には工場が多い。朝お金を引き出していこうという需要も高い。それには8時45分では遅すぎる」とATMの8時稼働を先駆けて実施している。

 走るATMはここにきて広がりと同時に、進化をしている。これまではトラックを改造してというのが殆どだったが、島根県松江市をエリアとする「しまね信用金庫」では、「11月をメドに普通免許で運転が可能なワゴン車タイプのATMを導入する(全国初)」と発表した。沖電気が開発に当たったがワゴン車タイプの狙いは、道幅の狭い山間部にもアクセスが可能な点。キャッシュカードだけでなくお年寄りには使い勝手がいい「通帳」の利用も可能。トラック型に比べ導入コストも1台1,000万円程度と約5分の1。今後「ワゴン車タイプの“走るATM”」の導入が進もう。

 こうした地銀・信金の活動を知らされた時に脳裏を走ったのは、全国に約2万4,000ある郵便局の存在。言葉を選ばずに言えば「黙っていてもお年寄りは郵便局がお好き」の時代は、終わりつつある。日本郵政の猛省を促したい。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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