ビールの苦み成分にアルツハイマー病予防の効果 東大などが発表

2017年3月19日 07:43

 ポリフェノールを含む赤ワインに認知症予防効果があることが報告されているが、ビールについてもアルツハイマー病予防効果の可能性が示唆されている。東京大学、学習院大学、キリンの研究グループは、ビールの原料ホップに含まれる苦み成分(イソα酸)がアルツハイマー病の予防効果があることをマウスの実験で確認した。アルツハイマー病発症の原因については、脳内に異常なたんぱく質(アミロイドβ)が脳内に蓄積することに起因するという「アミロイド仮説」が現在有力となっているが、実験では、マウスにイソα酸を摂取させることでアミロイドβの蓄積量を低減できた。

 アミロイドβが脳内に沈着する遺伝子改変マウスに、イソα酸を0・05%含む餌を3カ月間摂取させ、イソα酸を含まない餌を摂取させた対象群と比較した結果、脳内のアミロイドβの蓄積量が3~5割程度低下していたとのこと。これは、脳内の老廃物や異物を除去する細胞「ミクログリア」がイソα酸により活性化したことによるもの。同研究の発展によりアルツハイマー病の予防や治療への貢献が期待される。

 ビールにはイソα酸以外にも葉酸や鉄分、カルシウム、ビタミンなどが含まれていてさまざまな健康効果が確認されている。たとえばビールに含まれるアルコールにはインスリン感受性を高める効果があるため、毎日1~2杯の摂取で2型糖尿病の発症率を25%下げることが報告されている。また、ホップ由来のケイ素の働きが骨を強化することがわかっていて、骨粗しょう症予防の効果も期待されている。さらには、虚血性心疾患に関しても飲酒量が増えるほどリスクが下がることがわかっている。

 ただし、アルコール摂取量は適量を維持することは重要で、一週間あたり300gを超える総エタノール量を摂取すると脳卒中のリスクが上がるほか、飲酒量が増えるほど口腔がん、咽頭がん、大腸がん、食道がん、乳がんなどのリスクが上がることがわかっている。こうしたことからも、アルコール摂取は控えめに越したことはなく、日本人では1日の純アルコール摂取量を23g(ビールで大瓶1本程度)以内にとどめ、従来からいわれているように休肝日を設けることが健康維持のポイントとなりそうだ。(編集担当:久保田雄城)

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