基礎生物学研究所ら、アサガオの全ゲノム解読

2016年11月10日 05:20

 自然科学研究機構基礎生物学研究所は8日、星野敦助教らの研究チームがアサガオの全ゲノム配列をほぼ完全に解読することに成功したと発表した。ゲノム情報基盤が整備されたことで、アサガオがモデル植物として世界の研究者に活用されることが期待されるという。研究成果は国際学術誌 「Nature Communications(ネイチャー・コミュニケーションズ)」に掲載された。

 ゲノムとは、ある生物がもつ全ての遺伝情報のセットのことで、生物の設計図にもたとえられる。同研究所の星野敦助教、慶應義塾大学理工学部の榊原康文教授、九州大学大学院理学研究院の仁田坂英二講師らは、アサガオが約43,000個の遺伝子をもっていることや、その多彩な品種を生み出すもとになった動く遺伝子(トランスポゾン)のゲノム上の分布状況、「渦」と呼ばれる変異の原因遺伝子なども新たに明らかにした。

 また、アサガオには、早朝に咲く、すぐにしおれる、まき付くなどの特異な性質がある。これらの性質を遺伝子のDNA配列から調べることも可能となる。さらに、近縁の有用作物であるサツマイモ、ナス、トマト、ジャガイモ、トウガラシなどの研究にも応用されることが期待できるという。(記事:町田光・記事一覧を見る

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