年金積立は5兆円の赤字、公務員共済は安全第一で黒字

2016年7月30日 13:21

 2015年度「厚生年金・国民年金積立金」運用実績は5兆3098億円の赤字になった。一方で「国家公務員共済」は被用者年金一元化後の2015年下半期分について見ると、248億円の黒字になった。

 長妻昭元厚生労働大臣(民進党代表代行)は29日「公務員年金は損が少なくなるよう安全第1で運用されていると実感した。国民の皆さんの年金を株価維持のために投資するような形でリスクにさらすことは止めていただきたい」と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)、政府に対し強く求めた。

 この日、民進党はGPIFと厚生労働省から2015年度の年金積立金の運用実績について、国家公務員共済組合連合会と財務省から国家公務員共済の運用実績について説明を聞いた。

 民進党年金損失『5兆円』追及チーム座長の初鹿明博衆院議員は「われわれの指摘とほぼ変わらない結果であり、参院選前に公表する必要があったのではないか」と政府対応に疑問を改めて投げた。

 山井和則衆院議員も「国民の年金は損失しているのに、国家公務員はプラスというのはおかしい。この結果は株安のせいではなく、アベノミクスと称し株式運用比率を倍増し国債比率を下げたからだ。その証拠に国家公務員はプラスになった」と問題視し、運用の在り方について、国会で追及していく考えだ。(編集担当:森高龍二)

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