「株式会社」と「有限会社」を合わせた企業の保育所経営参入は472社で構成比は7.3%

2016年6月27日 19:46

 安倍政権が国を挙げて取り組むとしている「一億総活躍社会」。こうしたかけ声とは裏腹に、子どもを保育園に入れることができなかった失望や怒りを綴ったブログのコメントが、深刻な待機児童問題の実情を表すものとして国会で取り上げられるなど、待機児童の数は依然として高水準のままだ。少子高齢化による労働者不足への不安が増すなか、労働の担い手として女性の活躍が期待されることもあり、保育所不足の解消に向けたさらなる施策の実施は急がれている。

 これを受け、帝国データバンクでは、2016年5月時点の企業概要データベース「COSMOS2」(146万社収録)から保育所経営業者を抽出し、法人形態別、収入高および損益状況、都道府県別、業種別に集計・分析した。  

 主業または従業として保育所経営を行っていることが判明した6,471社について法人形態別に見ると、「社会福祉法人」が5,549社を数え、全体の85.8%と多数を占めた。以下、「株式会社」(388社)、「学校法人」(174社)、「特定非営利活動法人」(174社)、「有限会社」(84社)の順となっている。

 2000年に株式会社の保育所事業参入が認められており、「株式会社」と「有限会社」を合わせた企業の参入は472社で構成比は7.3%にとどまった。従業として保育所事業を行う割合が高い法人形態では、「医療法人・医療法人社団」の主業は小児科診療を行う病院、「学校法人」の主業は幼稚園が大半と、乳幼児向け事業を手がける法人が保育所の経営も行うケースが多い。特に幼稚園では、2006 年より始まった保育所と幼稚園の機能を併せ持つ「認定こども園」制度が追い風となったとみられるとしている。

 2015年の収入高が判明した保育所経営業者(主業)5,292社の収入高総額は 1兆807億7,600万円で、前年比で2.8%増加した。3期分の収入高が判明した 5,099社の既存増減率は2015年が同3.8%増、2014年も同4.5%増と2年続けて増えており、保育所の新規開設や受け入れ枠増設などが寄与したとみられるとしている。

 主業または従業として保育所経営を行っていることが判明した6,471社について都道府県別に見ると、「東京都」(555社、構成比8.6%)がトップとなった。2位は「大阪府」で416社、3位は「福岡県」で315社、4位は「神奈川県」で 306社、5位は「兵庫県」で292社となり、大都市を抱える都道府県が上位を占めた。

 保育所経営を従業としていることが判明した1,130社について、主業の業種別で見たところ、「サービス業」が1,088社(構成比96.3%)と大部分を占めた。サービス業のうちでは「老人福祉事業」(498社)や「幼稚園」(172社)が特に多く、保育所経営と親和性の高い社会福祉・教育関連が目立った。このほか、少数にとどまるものの、「小売業」(16社)、「建設業」(8社)、「不動産業」(8社)も見られたという。(編集担当:慶尾六郎)

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