変容する掃除機市場。充電式掃除機を支える、日本の安全技術

2015年7月5日 13:37

 ロボット型掃除機や、ふとん専用ダニクリーナーのヒットなどにより、掃除機市場の販売動向が大きく変化している。

 ジーエフケーマーケティングサービスジャパン株式会社が全国の家電量販店や総合ネット通販等のPOSデータ等を収集し、拡大推計を行った掃除機の国内販売動向調査によると、2013年1-10月の掃除機の販売台数は前年比8%増となり、全体で伸長しているが、従来の主力商品であったキャニスタータイプは前年比5%減と前年を大きく下回っている。その一方で大きな伸びを見せているのが、ハンディタイプ、ロボットタイプ、そしてスティックタイプなどだ。同調査によると、ハンディタイプは前年比48%増、ロボットタイプも同じく41%増、スティックタイプは同16%増となっている。

 また、同社が掃除機購入者及び購入予定者1770人を対象に行なったインターネットリサーチによると、購入者の約20%が現在所有している掃除機に加えて追加で購入したと回答しており、さらに電源タイプ別では充電式のコードレスタイプの製品が数量前年比で32%もの大幅な増進をみせていることが分かった。

 2台目、3台目の掃除機を買い増しする目的として、気づいた時にちょっと掃除したい、という理由から、個人の部屋やマンションなどに置いてもかさばらないとして、ハンディタイプの掃除機が台風の目となっている。その中心は何と言ってもやはり、大ヒット商品となった韓国ブカンセムズ社のレイコップだろう。実際、レイコップのみならず、それ以外のハンディタイプ製品も大幅に伸びているが、その背景には、充電池の品質向上があるのではないだろうか。最近のハンディタイプの掃除機は、充電池の発達により、小型でも吸引力が高く、長時間駆動が可能なものが多い。

 そんな中、ロームグループのラピスセミコンダクタは6月22日、コードレス掃除機や電動工具などの小型機器の電池保護システムに最適な、低消費電流を実現したリチウムイオン電池監視LSIを開発した。電池監視LSIとは、過充電や過放電を監視して、発火事故や寿命低下を事前に防ぐ部品だ。

 今回、ラピスセミコンダクタが開発した電池監視LSI「ML5233」は動作時の消費電流をなんと従来品の約半分に押さえることに成功し、省エネ製品の開発に大きく貢献するという。動作時の消費電流だけでなく、パワーダウン時の消費電流も業界最小で、電池パックの長期保管時でも電池容量にほとんど影響与えず、充電された電池を無駄にしないという。

 さらに、温度検出回路とショート電流検出回路を内蔵したことで、マイコンレスで充放電時の異常温度(高温)検出と電池パックのショート検出が可能になったことにより、実装面積を約20%、主要な部品点数を4個から1個に削減することにも成功した。同製品はすでにサンプル出荷が開始されており、9月からは量産規模月産5万個での量産出荷が予定されている。

 掃除機に限らず、充電式の電化製品は便利だが、充電時に意外と高熱を帯びていることも多い。また、過充電で充電池の寿命を縮めてしまうことも珍しくない。便利なのは有り難いが、事故やケガ、機器の故障やトラブルの原因になっては元も子もない。コードレス製品が活況になるにつれ、電池監視LSIの役割は益々大きくなりそうだ。(編集担当:藤原伊織)

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