非製造業や中小企業で景況感が悪化、先行き回復力も鈍い=日銀9月短観

2014年10月1日 15:12

 日銀が1日発表した9月の全国企業短期経済観測調査(短観)によると、大企業の製造業の業況判断指数(DI、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた値)はプラス13で、前回6月調査より1ポイント改善した。しかし、非製造業は前回のプラス19から13と、6ポイント悪化した。中小企業も、製造業、非製造業とも前回からそれぞれ2ポイント悪化した。景気回復の恩恵が大企業など一部の業種にとどまっており、中小企業にまで行き渡っていない現状が浮き彫りされている。先行き12月の予測調査でも、大企業から中小企業までDIはほぼ横ばいで、押しなべて回復力は鈍くなっている。

 日銀短観は、3ヵ月に1度、企業経営者の心理などから、足元の景況感を数値的に捉える統計で、全国1万369社(うち大企業2268社、中堅企業2840社、中小企業5261社)を対象としている。9月の短観は、8月27日~9月30日が回答期間である。

 9月のDIのうち、中堅企業では、製造業はプラス5、非製造業がプラス7となったものの、いずれも前回調査よりそれぞれ3ポイント悪化した。また、中小企業のDIも、製造業がマイナス1、非製造業が0となっている。

 雇用に関するDI(人員が「過剰」であると答えた企業の割合から「不足」と答えた企業の割合を差し引いた値)では、大企業でマイナス8となっており、人手不足感が強まっている。この傾向は、中堅企業でマイナス13、中小企業でマイナス16と、企業規模が小さくなるにつれひっ迫感が強く出ている。(記事:南条 誠・記事一覧を見る

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