ヨウジヤマモト 2014-15年秋冬コレクション - 「服で勝負する」 山本耀司が贈るメッセージ
2014年3月1日 16:50
ヨウジヤマモト(Yohji Yamamoto)が2014年2月28日(金)、2014-15年秋冬コレクションをパリファッションウィークで発表した。会場にはモデルの栗原類の姿も。
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シャイヨー宮国立劇場で行われたランウェイショー。ビッグシルエットのダウンジャケットや大きく円錐を描くドレスなど、全身黒の装いでショーは幕を開ける。ヨウジヤマモトは、今季も私たちの予想を見事に裏切った。
「僕は長い間“大きな服”を作り続けたと言われてるデザイナーなんですが、今回はその極限、どこまでできるかなぁというところを挑戦したんです」そう語る山本が、今季思い描いたのは「fairy tale(おとぎ話)」の世界だ。可愛い人形たちが出てくるような童話やおとぎ話にある“怖さ”。今シーズンは、ボリューム感たっぷりのフォルムとともに、若き現代美術家・笹田靖人の絵画を大胆に取り入れた服で、私たちを鮮烈な空想の世界へといざなう。
繊細なタッチで大きく青やピンクの百合が描かれたアウターには、美しい花と対照的な鎖も全面に描かれ、冷酷さを感じさせる。これでもかと言うほど膨らみのある服を上下で合わせた装いは、モデルの身体の2倍以上の大きさを持つように見えた。
また生成り色や黒のニットスタイルも数ルック展開。立体的に編まれたニットのパンツ、毛糸を長く垂らしたキャップは、すでに使い古されたいるかのようにほつれた糸がノーマディック(旅人的)な雰囲気を感じさせる。カラフルなアップリケを施したブラックのテーラードルックのほか、葉が覆い茂るような装飾を片側にだけ配したカーキのジャケットやスカートなども披露した。
ラストには、歯車や蝶々、そして雷様といった様々な絵が描かれたルックが続々と登場。ひとつひとつのモチーフに関連性はなく、記憶が交錯する夢の世界をそのまま服に落とし込んでいるようだ。今回のコレクションにどんなメッセージが込められているのか、山本に尋ねてみた。
「ファッションがバッグとかシューズを売るためのプロモーションになってしまっていて、“服”で勝負するというデザイナーがほとんどいなくなっているんですよ。“服”で何かものを言えるっていうデザイナーがすごく減っているので。その若手たちに対するメッセージも含まれています」。
ファッションショーは、純粋にクリエーションの披露の場であるべきという山本の想いが込められた今季のコレクション。笹田の絵を自身の服に採り入れたことについて「楽しかった」と話すとき、まるで少年のような瞳で微笑む姿が印象的だった。