【アナリスト水田雅展の銘柄分析】TACは急伸後反落も本格相場の前兆、女性の資格取得支援が材料

2013年10月10日 08:59

  「資格の学校」を運営するTAC <4319> の株価は10月4日の急動意の人気が続かず反落の形だが、下値水準を着実に切り上げている。きっかけ次第で再動意の可能性もありそうだ。

  財務・会計分野(簿記検定・公認会計士など)、経営・税務分野(税理士・中小企業診断士など)、金融・不動産分野(宅建・不動産鑑定士・FPなど)、法律分野(司法試験・司法書士など)、公務員・労務分野(社化保険労務士・国家総合職など)など幅広い分野で「資格の学校」を運営し、法人研修事業や出版事業なども展開している。若者や女性の資格取得支援に向けた政策が支援材料だろう。

  今期(14年3月期)連結業績見通しは売上高が前期比5.2%減の199億円、営業利益が同5.2倍の7億05百万円、経常利益が同2.1倍の7億85百万円、純利益が同54.3%減の4億47百万円としている。受講者数の本格回復には至らないとして減収見込みだが、賃借料・講師料・人件費・広告費削減など事業構造改革効果が本格寄与して、営業損益が大幅に改善する。純利益は移転補償金などの特別利益が一巡する。

  季節要因で第1四半期(4月~6月)と第4四半期(1月~3月)の利益が出やすい収益構造だが、第1四半期の簿記検定、宅建、FP、行政書士、国家一般職・地方上級などの個人受講者数が増加傾向だったことも考慮すれば、通期上振れの可能性があるだろう。

  株価の動きを見ると、9月3日の直近安値197円をボトムとして徐々に水準を切り上げる動きだ。10月4日には一時前日比54円(25.60%)高の265円まで急騰する場面があった。その後は急動意の人気が続かず反落の形となったが、下値水準を着実に切り上げている。

  10月9日の終値218円を指標面で見ると、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS24円51銭で算出)は8~9倍近辺、今期予想配当利回り(会社予想の年間1円で算出)は0.5%近辺、実績PBR(前期実績の連結BPS181円59銭で算出)は1.2倍近辺である。

  日足チャートで見ると25日移動平均線、週足チャートで見ると26週移動平均線がサポートラインとなって徐々に水準を切り上げている。時折動意付いて上ヒゲを付ける傾向も強いだけに、きっかけ次第で再動意の可能性もありそうだ。(ジャーナリスト&アナリスト水田雅展)(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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