【決算】キーコーヒーは経営努力上回る原材料高、営業利益が大幅減、今期はV字回復

2012年5月11日 14:08

■コーヒー原料生豆の高騰対策、大震災発生で「価格改定作業」に遅れ

  キーコーヒー <2594> は13年3月期連結業績について3月21日に公示した数値を一部修正し発表した。

  当期は、業務用、家庭用コーヒーは減少したものの原料用市場向けコーヒーの販売が大幅に伸長したことにより、前年比1割を越す大幅増収であったが、利益面ではコーヒー原料生豆の価格上昇幅が大きいなどで、粗利率が4.5ポイント低下した。原価の低減、販管費の削減など全社を挙げての経営努力を行ったが、今回の原材料の価格上昇は企業努力を遥かに上回る水準であり、営業利益大幅減の要因となった。特に、11年3月からコーヒー原料生豆価格の高騰を吸収し品質を維持するために、価格改定を予定していたが、震災による価格改定作業の遅延や東日本の観光地への行楽客の減少による消費の減退が生じた。さらに、法人税法改正に伴う繰延税金資産取崩しで法人税等調整額を計上したため、上場(94年)以来初めて70百万円の純損失となった。

  売上高53,741百万円(前期比10.4%増)営業利益は21百万円(同94.4%減)、経常利益256百万円(同58.0%減)、当期純損失70百万円。

■「収益性の改善」「市場競争力の強化」に注力し、V字回復を目指す

  今後当面の方針として、1)収益性の改善、2)市場競争力の強化を課題に取り組み、今期以降業績のV字回復を目指している。

  収益性の改善については、調達手段・手法を全面的に見直し、原材料のコスト低減、業務内容の見直しと質的改善を行い、生産性の向上、製造から販売・物流までの全工程での効率化、無駄の削減を行い、ローコスト経営を推進する。

  市場競争力強化については、ニーズを先取りしたきめ細かな課題提案型の営業の展開にあわせ、価値ある商品、新たな需要の創出に繋がる商品の提供に取り組む。

  今期(13年3月期)連結業績見通しについては、コーヒー相場も依然として先行き不透明な状況であることから、慎重を期して詳細な予想を見送り、今回はレンジ形式での開示に止めた。

  売上高544億円~569億円、営業利益2億30百万円~6億10百万円、経常利益4億50百万円~8億40百万円、当期純利益40百万円~1億60百万円。

  なお、配当金は、中間配当金5円、期末配当金5円の年間10円の予定。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)

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