玄葉大臣、「人類史上初めての事態」と発言、だが救援・復興事業は遅々として進まず
2011年4月22日 10:32
【「霞ヶ関発・兜町着」直行便】
政府は菅首相の私的諮問機関として「復興構想会議」を立ち上げたが、議論は最初から紛糾した。福島原発事故関連を議題から外していたからだ。地震、津波被害とは切り離して「別途議論する」という、誰が考えたか知らないが官僚主義的な小賢しい手法は、さすがに多くの委員の反発を買った。当然である。さて、この復興議論については、福島を選挙区とする玄葉国家戦略担当大臣が、先に、「岩手、宮城の復興と、福島の復興は違う。放射能があるからだ」と「二正面作戦」を主張しているが、一方では「救援活動やガレキの処理もまだおぼつかないのに復興需要に沸くとは何事だ」という意見も強い。玄葉大臣は、地元と与党と閣僚という3つの立場で「救援と復興」に当たっているわけだが、15日の記者会見では、その「苦衷」を、こう語っている。
まず記者が「総理をはじめ、皆さん一所懸命やっていると思うが、それでもなおこれだけ批判が起こるというのは、やはり何かしら考え改めるところもあるのではないか」という質問に、大臣はこう答えた。
「私は、内々意見を色々と申し上げていますし、内々言ってもなかなか聞いていただけない点について、このような場で申し上げていますし、政調役員会でも発言しています。
(今回の大震災は)前代未聞の、人類史上初めての事態です。大地震と大津波、そして、原発事故の二正面作戦をし、その二正面作戦のうち、原発事故はプラントの問題、そして原発被災者の問題、その支援といったことをすべて同時に対応していくということは言うまでもなく大変なことでして、やはりそれに対してでき得る限り政治家が、政府に入っているいないにかかわらず、与党、野党であることにかかわらず全力を挙げていくことが、私は政治家の務めだと、政治家としてあるべき構えだと思います」
さらに記者が「菅首相の退陣論が出ているが」と水を向けると、「誰なら原発事故を今、収められるのでしょうか。誰が自信があるというのでしょうか。私はわかりません。本当に自信を持っておっしゃっている方がいらっしゃるとすれば、教えていただきたいと思います」と、開き直った。
「全国的にはガソリンの量は足りている」と経済産業省の官僚は抜けぬけといった。だが、実際には被災地にガソリンは行き届いていない。このような事態が様々なところで出来(しゅったい)している。まさに政治・行政の大失態ではなかろうか。(情報提供:日本インタビュ新聞社=Media-IR)
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