NURO光ユーザーのIPアドレス、一部が海外と判定され国内サービス利用に支障

2019年9月3日 16:04

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記事提供元:スラド

 Anonymous Coward曰く、

 インターネット接続サービス「NURO光」の一部加入者において、国内のコンテンツサービスを利用できない問題が発生している(ねこんこ25ch現行スレ)。

 NURO光ではIPv4アドレスの枯渇に伴い海外で使われていたIPアドレスを取得して加入者に再割り当てしているらしく、サービスによっては海外利用者と見なされてアクセスが弾かれてしまったり、海外利用者向けコンテンツが表示されてしまうことがあるという。利用できないサービスとして名前が挙がっているのは、DAZN、Hulu、AbemaTV、AmazonPrimeビデオ、5ch、ドラゴンクエストXなど大規模なものから小規模なものまでIPジオロケーションによる国判定を行っているサービス全般で多岐に渡る。

 この問題は少なくとも2017年10月には報告されていたが、今年になってからドイツ国判定されてしまうケースが多数報告されている。日本のIPアドレス割り当てを管轄しているJPNICのIPv4アドレス移転履歴によると、2019年1月16日にドイツの通信企業QSC AGからソニーネットワークコミュニケーションズに92.202.0.0/15が移転されていることが確認できる。

 コンテンツ事業者のIPジオロケーションデータベースがこうしたIPアドレスの移転情報を反映していないことが原因であるため、個別に問い合わせてデータベースの更新やホワイトリスト設定を依頼するしかないようだ。一方、こうした状況を知りつつも十分なエージングを行わず海外のIPアドレスを加入者に割り当てるNURO光への批判も出ており、その事実を伏せたまま勧誘を継続することは電気通信事業法で定める「不実告知の禁止」(第27条の2第1号)に抵触するのではないかとの声も出ている。

 なお、2017年11月に第33回JPNICオープンポリシーミーティング(JPOPM33)で行われたIPv4アドレス移転に関するパネルディスカッションでは、インターネット接続サービスの「eo光」などを提供しているケイ・オプティコム(現・オプテージ)からも同様の問題が報告されており、浸透状況の調査と個別のブロック解除交渉を繰り返すなどして1年間のエージングを実施としたという(発表資料議事録)。

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