BASEがECサイト開設で実績1位の理由

2020年12月3日 18:14

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BASEのイメージ。(画像: BASEの発表資料より)

BASEのイメージ。(画像: BASEの発表資料より)[写真拡大]

 それがスタートアップ企業の「内包する妙」なのかもしれない。BASE。昨年9月東証マザーズ市場に会社設立9年目にして上場した株式市場の新参組である。主業は、個人・小規模事業者向けECプラットフォーム「BASE」の運営。創業者社長の鶴岡裕太氏の(大分県で小売店を営んでいた)母親の「うちもネット取引をやりたいのだけど、色々と難しいことがあるようだから・・・」という一言が、2012年起業の引き金だった。

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 上場直前の2019年12月期は、「売上高38億4900万円、営業損益4億4100万円の赤字、最終損益も4億5900万円の赤字」。今期も52億9200万円~55億4600万円の売上高も、「営業損益:3億9100万円赤字~5500万円の黒字、最終損益3億9300万円の赤字~1500万円の黒字」計画でスタートした。

 だが期中にそれぞれ「75億2000万円~81億円、0~5億円、5500万円の赤字~3億9400万円」に上方修正。そして開示済みの第3四半期の実績は「59億9600万円、11億4600万円、9億4900万円」。一段の上振れを期待させる状況となっている。

 最大の要因はBASE事業の拡充「売上高:前年同期比135.4%増、セグメント利益13億7600万円(前年同期は3600万円強の損失)」。EC関連のアナリストの指摘を待つまでもなく、「コロナ禍で実店舗のEC化需要の増加、既存のEC化業者の好調」にその因は求めることができる。

 が、こんな事実をどう捉えるかである。マクロミル(マーケティングリサーチ企業/東証1部)の調査で、3年連続してECサイト開設実績でNO1に輝いている。ちなみに20年9月時点のサイトショップ数は120万。ECプラットフォームの運営を手掛ける企業も少なくない。そうした中での現状を支えているのはなんなのか。幾つかの要因が指摘できる。

 ★登録料・月間/年間使用料金無料
 ―BASEの課金体系は「決済/サービス手数料」「振込手数料/振込事務手数料」。仮にサイト上で1000円の商品が3個売れたとすると、3000円+送料500円が対象となる。そして<決済手数料>は3500円×3.6%+40円の計166円。<サービス手数料>は3500円×3%の105円。振込申請がなされると、3500円-166円-105円=3229円がサイト側の手取りとなる。翌日入金/代引き・コンビニ払い・クレジットカード決済が可能だが、サイト側には翌日入金。

 ★商品登録数、無制限。

 リーズナブルな料金、サイト側を向いた施策が受けていると捉えることができる。個人・小規模事業主のEC化に妙味深い企業といえる。(記事:千葉明・記事一覧を見る

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