良品計画、高速バスの貨客混載で千葉・鴨川の農産物を銀座で販売

2020年2月18日 07:03

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貨客混載で鴨川産農産物を運ぶアクシー号(良品開発発表資料より)

貨客混載で鴨川産農産物を運ぶアクシー号(良品開発発表資料より)[写真拡大]

 無印良品を全国展開する良品計画は17日、高速バスの貨客混載を活用して千葉県鴨川市で採れた農産物を東京都中央区銀座の「無印良品銀座」で販売する実証実験を始めた。鴨川市の農産物のブランド化が目的で、3月末まで千葉県木更津市に本社を置くバス会社の日東交通と連携して続ける。

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 鴨川産の農産物を搬送するのは安房鴨川-東京間を運行している日東交通の高速バス「アクシー号」で、毎週月曜日と木曜日の2回、レモンやレンコンなどを高速バスのトランクの空きスペースに積載して輸送する。販売は無印良品銀座1階の青果売り場で行っている。

 良品計画は、2018年にリニューアルオープンした鴨川市宮山の総合交流ターミナル「里のMUJI みんなみの里」の指定管理者となり、農産物や地場産品の販売、都市と農村の交流などを進めている。みんなみの里にある開発工房では、良品計画と地元の生産者、企業などが連携して鴨川産農産物を使った加工品の研究、開発、ブランド化を推進している。

 貨客混載での東京輸送は鴨川産農産物を東京都の消費者に知ってもらうと同時に、輸送コストを削減することにより、低価格で新鮮な農産物を提供するこど、将来のブランド化の足掛かりにする狙いを持つ。鴨川市の生産者にとっても販売コストを抑えられ、小規模農家の負担を低減できるメリットがある。

 貨客混載はこれまで、人口減少で路線維持が難しくなった地方の路線バスや鉄道路線に一定の輸送収入をもたらすため、活用されてきた。しかし、長距離運行の高速バスで都会の消費地に新鮮な農産物を運ぶことができることから、高島屋、全国農協中央会、愛媛県の伊予鉄バスなどが活用を始めているほか、国土交通省も業務効率化の観点から展開を後押ししている。(記事:高田泰・記事一覧を見る

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