Automagi、AI画像認識でインフラの劣化検知・診断を自動化するサービス開始

2019年8月25日 07:19

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AMY InfraCheckerによる検出対象の例(画像:Automagi発表資料より)

AMY InfraCheckerによる検出対象の例(画像:Automagi発表資料より)[写真拡大]

  • 今後の拡大の方向性(画像:Automagi発表資料より)

 AI(人工知能)技術やIoTを活用したサービスの開発を手掛けるAutomagi(東京都新宿区)は22日、橋などに発生するクラック(ひび割れ)などの劣化の検知から、劣化度判定、報告書作成までを自動化する社会インフラ向けサービス「AMY InfraChecker(エイミー インフラチェッカー)」の提供を開始すると発表した。インフラ設備の一次外観検査を、AIを活用した画像認識により自動化する。企業や自治体への導入を図るため、ドローンと組み合わせたサービスも展開するとしている。

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 近年、老朽化した社会インフラへの懸念が高まっている。国内の道路や橋などの社会インフラは高度経済成長期に集中して建設されている。国土交通省の資料によると、完成から50年を経た道路橋は、2023年に約39%、2033年には約63%に上る見通しだ。地震や風水害に備えるためにも、老朽化したインフラの改修は急務となっているが、少子高齢化の影響からインフラ設備の点検や診断を行う熟練技術者の確保は年々難しくなっている。

 こうした状況から、Automagiは画像映像解析AIを使い、画像や映像データからさびを検知して診断するサービスの提供を昨年5月に開始。さらに、採用した企業からさび以外への対応を求める声が多かったため、クラック(ひび割れ)、塗装剥がれ、漏油・漏水など、7種類の劣化に対応したAMY InfraCheckerの提供を開始したという。劣化の検出以外にもアナログ計器の異常値を検知する機能も持ち、検出だけでなく、劣化度をスコアで判定し、段階に分けるまでも自動化する。

 さらに、ドローンが撮影した画像の背景から対象の構造物を切り出し、その二次元の面積に対する劣化の割合や度合いを総合スコアとして算定するロジックも開発したという。この総合スコアを活用して詳細点検・改修の優先順位付けが可能になる。

 同社は、赤外線カメラを使用した施設内部の異常検知や打音検査による異音検知の研究開発を進めている。今後は収集したスコアデータをもとに、AIを利用した劣化の予測や関連性分析による劣化エリアの推定機能なども追加していきたいとしている。(記事:Kei_T・記事一覧を見る

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